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若年指導者の退行と回避性行動パターン [心理]

指導者職員が退行した姿を見ると、従来の関係性に照らし、対応法に思慮する時がある。

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心理士(師)として、気持ちに寄り添うべきか、それとも本当に心理支援をすべき対象のために毅然した態度を示すか葛藤することがある。

当該指導者(常勤職員)の管轄にあるクライエントの心理支援のため声かけようとすると、態度を硬化し自分のペースに従わせようとする。心理士(師)が当該指導者の傍まで赴き、声をかけようとすると、現在している仕事に執着し、ひと段落するまで忙しい心理士(師)を待たせる。他の指導者は、通常、声をかけると、速やかに応えてくれるが、緊急の出来事であったとしても、それを認知するまで、マイペースを貫く人がいる。こだわりが発達特性におけるこだわり行動かと言えば、過去の経験に照らすと必ずしもそうではない。所属長の指導または指示に基づき、行うべき営みであったとしても、中々聞く耳を持たず対応できずにいる。背後には、甘えの心理があり、自分のペースに合わせてほしいという慈愛願望心がある。当該指導者職員自身が個人の生活の中で何らかの危機が訪れているのかもしれない。身近な家族や知人から個人的な悩みを受け容れてもらえていないのかもしれない。表現を変えると、心理的退行を起こし、回避性行動パターンが習慣化しているのだろうと思われる。また周囲との関係性に応えることが難しいほど心理的防衛が強化され、いついかなる時も自分のペースで行動続ける行動パターンが固着しているという見方も成り立つかもしれない。

 しかし翻って考えると、クライエントの危機を未然に防止し、クライエントの安全を保護しようとする所属長と組織の思いを踏みにじることとなる。緊急事態を予防するための措置として訪問心理士(師)による支援を組織の長が求めているのに、上記のような心理的退行を示すことで、しかも当該心理的退行が顕著な行動パターンが定着することで、組織的な予防措置をとろうとする所属長の思いを踏みにじることになる。加えて訪問心理士(師)に余計な手間をかけることで、心理士(師)の支援が必要とするクライエントへの支援が遅れることになる。その結果、時に、緊急支援が必要になる危険がある。

 訪問心理士(師)は時に訪問先外の管轄外の要請で、緊急支援要請連絡を受ける時がある。しかしその時に限って、本来の職務があるために支援に赴くことができないことが往々にしてある。緊急支援対応の状態を作る前に、組織の対応する職員及び指導者が対応する必要がある。それが難しければ、定期的に訪問する心理士(師)が支援に加わる。それが訪問心理支援の本来のあり方でもある。

 上記の心理的退行を示す指導者(常勤職員)も人間である。人間であれば、一度や二度甘えたいと思う時もあるだろう。しかし当該職員と個人的な契約を結んでもいない訪問心理士(師)が本来のクライエントの心理支援を妨げる上記心理的退行をいつまでも受容し続けるわけにはいかない。交流分析の思考を適用すると、大の大人である若者が多数の主訴を訴えるクライエントを抱えながら、自分のFCをコントロールできない指導者職員に対して訪問心理士(師)は、心理的退行に寄り添いながらも、毅然としたCPで直面化させる必要がある。それが訪問心理士(師)の所属長の依頼に応ずる任務を遂行する途でもある。適切な心理士(師)の指導を無視して、不適応クライエントを再生産させ続けてきた過去がある場合には、猶更である。

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