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心理職(被用者)の「合理的期待」に背く心理 [心理]

年度末に向けて心理職の雇止め問題が提起されている。時に署名用紙が回ってくる中で、数日で500名を超えていることに関心の高さが伺える。雇用の面では、双方の「合理的期待」がある。特に長年心理臨床業務に尽力されてきた被用者の「合理的期待」に背いたと認知されていることに重大な問題があるように思う。


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【追記】
もっとも署名用紙を提案した主催者が最後までその主旨を貫いているか、複数の訴えから顧みる必要がある。
①ご自身の採用通知が届いた旨のつぶやきがあった後は、支援の動きはみられないこと。
②問い合わせの際、電話を返信する旨約束されたが、メールも電話の返信がないこと。



この度の心理職の雇用に関する問題は、会計年度任用職員制度を建前として、期限が切れれば、契約するか否かは雇用者側の自由という思考によるものである。ひいては、合理的期待に背く対応により個人の尊厳が傷つけられていることに起因するものではないかと思われる。




 特に年度末になって補充任用通知が届いた方に加え、不合格通知が届いた方にも当初の決定を覆す採用通知が届いたという事実があることが一部の方のつぶやきから発覚した。補充任用通知の方からさらなる辞退が生じ、現場が混乱したとのことであるが、補充任用通知に加え不合格通知においても採用通知に転化する判断は、:一部の受験者との癒着に加え、何らかの公権的な「恣意」が加わっていると解され、甚だ不公平な公的判断が介入していることと解さざるを得ない。このような判断は概ね5年前頃から支援団体に委託された後に生じたとの訴えがあった。








 視点を変えると、心理職を希望する人は、心理系大学-大学院と心理系の進路を選択して来た人が多くおられると思う。公認心理師試験が始まりこの3月で7回目になるが、今や7万人を超える有資格者が輩出されている。心理系の資格を取得した方は、それぞれの分野での職務に就くことを希望して資格取得したのであろう。大学ー大学院を出て試験に合格し登録した時点で、心理職の受験資格を得て受験することを期待するのであろう。研修会に参加すると、自分の周囲には、ベテラン心理士(師)に加え少しずつ若手の心理士(師)が増えていることを自覚することが多くなった。


 しかし他方で臨床心理士の時代から一生の仕事として心理職を継続している心理士(師)も数多くいて、3万人を超えると推察している。例えば当初は特別職の公務員として雇用されていた。年度雇用の更新が継続するうちに、突然契約が切られるケースや当初勤務日が2日だったものが突然週1日に減らされることもあると思われる。

 しかし何よりも重要なことは、年度契約が更新されると、次の年度も雇用されるという合理的期待が生まれてくる。その合理的期待があるから職務にも一層の集中する力が生まれてくるはずである。

 しかし今回の問題は、心理士(師)の「合理的期待」に著しく背いた拙劣な対応だったのではないかと思われる。何故なら会計年度任用職員の説明は、明確に明示されていないケースが多く、4年以降の更新も同様のケースが多くみられる。そして、この度の問題は、5年目の雇用が開始される直前に公募という形となるということを各地域の心理職担当から連絡が来て、書面ではなく口頭にて、来年度は、初任者と同様の立場で公募となるから…といった連絡が来たということを聴いている。しかしこれまで継続勤務していた心理職にとっては、当然来期も継続することができるはずという「合理的期待」があったはずである。そして通常であれば、これまで当該職場で心理職として尽力してきた経歴を踏まえて再雇用されるはずと捉えるはずである。民間の労働契約であれば、5年を継続すれば無期契約に転換するはずという観点がある。

 しかしながら会計年度任用職員の制度が出来てから年度内での任用が原則となりむしろ再雇用には、前年度の勤務状況を含め、いくつかのステップが必要とされた。総務省の指針に示されていることは本稿でも引用した。








 もっとも5年以上勤務している心理士(師)は、臨床心理士をはじめとする心理資格等を踏まえ、継続雇用されている経歴が多いと思われる。当初は、特別職として継続採用されていたが、専ら国(総務省)のご事情で公認心理師制度が出来てからは「やむを得ず」年度任用職員として、当該心理職を継続している心理士(師)も数多くおられる。当然、10年から15年、時に20年前から定年に至るまで雇用が継続されるものという「合理的期待」が存在するはずである。その立場を強固にするために公認心理師制度を推進してきた諸団体の宣伝を信じて、国家試験を受験した方が多かったのではないかと思う。


 この度の問題は、長年に渡る心理職の職場での尽力をたった一回の面接で奪うという可能性を孕むものであり、現に数多くのベテラン経験者を含め、不採用となっている現実が新聞各紙で報じられていることである。それはこれまで会計年度任用職員制度が出来るはるかに以前から継続して採用され、当該心理職の場所で尽力してきた経験を一瞬にして無にする判断に繋がるものであり、被用者の個人の尊厳を無にする形で、雇用への合理的期待を壊すものである。しかも国(総務省)が策定した指針の内容を無視して、採否の根拠について説明を行わず、不採用としたことが問題である。これは、仮に翌年度採用となった心理士(師)も翌年度以降は、同様の判断が下される可能性を孕んだものであり、臨床心理士に加え公認心理師資格を取得すれば、心理士(師)としての職務に就くことが可能なばかりではなくクライエントの心理支援を通じて自己成長に導く一生の仕事として続けられるであろうといった合理的期待を裏切る結果となる。このことは本稿でも公認心理師制度に対する警鐘を幾度となく述べてきた。






地方公共団体の規則は、条令はもとより国の法律や命令よりも下位に位置づく法規(規範)である。憲法を最高法規として法秩序が保たれていることは、個人の尊厳(13条)を本旨として基本的人権を制度的に保障している憲法98条にも明示されている。いかに地方自治の本旨があるとはいえ、この度の問題は国(総務省)の示す指針に背く対応であり、憲法98条に違反する「規則」に基づく行政判断と解さざるを得ない。


憲法は強行法規であり、憲法に違反する規則は、その法効果として、違法かつ無効であるという内容は、学校教育の中で文科省検定教科書でも説明されていると思われる。ゆえに、各公共団体の心理職の任用権の所在に限らず、違法状態が存続していると解さざるを得ない。



第九十八条 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。
 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。
第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。


<会計年度任用職員制度の適正な運用等について(通知)> 【再掲】
【通知文引用】
会計年度任用職員制度の適正な運用等について(通知) 
4 再度の任用について 再度の任用を想定する場合の能力実証及び募集については、各地方公共団体において、平等取扱い の原則及び成績主義を踏まえ、地域の実情等に応じつつ、適切に対応いただきたいこと。 なお、前年度に同一の職務内容の職に任用されていた者について客観的な能力の実証の一要素と して、前の任期における勤務実績を考慮して選考を行うことは可能、であること。 また、結果として複数回の任用が繰り返された後に、再度の任用を行わないこととする場合には、 事前に十分な説明を行う、他に応募可能な求人を紹介する等配慮をすることが望ましいこと 2 これらの内容については、事務処理マニュアルの本文(II3(1)⑤)及びQ&A(問6-1~6-6) を参照されたいこと。
以下 一部引用 (追記)
 




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  もっとも署名用紙を提案した主催者が最後までその主旨を貫いているか、複数の訴えから顧みる必要がある。

 ①ご自身の採用通知が届いた旨のつぶやきがあった後は、支援の動きはみられないこと。

 ②問い合わせの際、電話を返信する旨約束されたが、メールも電話の返信がないこと。

 ③個人情報を収集する目的はご自身も含限られた一部心理職の支援を目的としている解されざるを得ないこと。

 ④個人情報を収集する目的は、複数事例を集め新聞社や議員の協力を仰ぐための手段と解さざるを得ないこと。

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