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いじめ行為に対するアプローチ [心理]

子供のいじめの訴えには、迅速かつ誠実に応える必要がある。時に執拗で持続的、集団的な攻撃に対して、口頭での訴えでは直ちに改善されないことが多くがある。その時は、事実を特定するため被害記録を記載することが一般的であり、憲法上の権利(憲法21条、19条、13条)である。

 特に憲法尊重養護義務(憲法98条)を求められる立場にある者が、いじめの被害記録を何等かの形で制限した場合、憲法違反となり公益通報の対象となる。

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心理士(師)が訪問する相談室では、ときにいじめを訴えるケースに出くわすことがある。そもそもいじめは、許されない行為であるが、現実の社会では、執拗ないじめを繰り返すケースも存在する。そのような執拗で持続的、陰湿で組織的ないじめ行為に対して、立ち向かう人は孤独であり、甚大に心のエネルギーが必要である。

 しかしその現実があるにも関わらず、当該組織の担当責任者の中では、集団組織の活性化を重大視するあまり、ある意味では、組織の中で上の立場にある者をいじめの主体と知りながら半ば泳がせているケースもあると聞かれる。

 しかし責任者がいじめの主導者を泳がせている間、被害者の方は、その間、尋常でない悪性ストレスを抱えて生活せざるをえず、ある時、勇気をもって責任者に訴えたとしても、責任者の不在時を見計らって、執拗な攻撃を陰湿に繰り返すため、全て解決することは難しいことは明白である。

 その中で、組織の中のコミュニケーションを重視するため、当該小グループの責任者は、いじめの首謀者たちを泳がせながら一線を超えたと判断した時だけ指導対応を行う。しかしそもそも当該いじめの首謀者への指導が効果的な方法でなく、川で言えば、言わば上流ではなく、下流に向けたいじめ行動へのアプローチをとっているため、いわばもぐら叩きの現象を追いかけるだけで、いっこうにいじめに関わる攻撃行動は改善されない。

 なぜなら当該小グループの指導者は、自らの思い込みが優先されていることに加え、被害者のいじめの訴えを傾聴することなく、その場その場での行動を押さえつけるアプローチを行うが、いじめ行動の衝動にかられるのかという背後の気持ちや感情を正しくとらえず、仮に捉えたとしても認知行動を切り替えるアプローチができないため、攻撃行動に関わる衝動性を制御することがいつまでたってもできないでいる。

 その中で、いじめに関する認知を被害者である立場のクライエントの方が被害記録をとることが何故「悪口の記録」と決めつけ、責められなければいけないのだろうか。

 確かに即自的な対応をするためにその都度の攻撃者の行動を捉え、言語化して伝える方法もあるかもしれない。しかしいわば犯行現場を押さえて緊急的に口頭で伝える努力をしても、周囲の目を考慮すると、恐れや不安が生じて、言語化、明確化が困難になる場合、どのような方法で自分自身を守ることができるのだろうか。

 いじめ攻撃行動者を泳がせるために、いじめの被害記録をストップさせるなど言語同断で、先に述べた憲法違反=違法であることに加え、生命自由及び幸福追求権の侵害と言わなければならない。

  心理療法の観点からするといじめの記録を記入することは、いじめ認知体験に関する事実を自ら確認し振り返ることができることに加え、自ら抑圧していた不安や恐れ、悲しさ、怒り等、言語化して表出することができることで、身体症状化や行動化を抑えることが可能となる。

 もし、度重なる攻撃行動により生じたいじめ認知が改善されないまま状態が持続している場合、被害記録の重大さを置き去りにしていじめ被害記録の作成を禁止することは、いじめの攻撃行動を自らの拙劣な指導力で改善させることができないにも関わらず、身体障害や行動化を生じさせる根源的理由となる場合には、不作為の犯罪行為であり、憲法違反の状態を生み出した人権無視の拙劣な対応に対して、速やかに止めることができるよう適切に対応しなければならない。いじめの被害記録を書くことはないとシンキングエラーを繰り返す責任者は、クライエントの症状の悪化の要因となっていることを直ちに省みる必要がある。自ら不法行為(民法709条)の原因となっていることを直面する必要がある。


小組織の責任者の無理解がいじめ認知を拡大させる。いじめの重大事態に変容することがないよう被害記録を作成するという当然の原点に戻る必要がある。被害記録の作成を妨げられた者が心理士(師)である場合には、人事考課票を示唆する等の責任者の脅しを含んだ指示と言えど、偽計ないし威力業務妨害に当たり公益通報に該当すると言わなければならない。

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