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心理士(師)の臨床経験と有資格者の視点【追記】 [心理]

心理士の臨床心理経験は、日々積み重ねられている。資格の裏付となる統合した知識と経験が一体となってクライエントの自己成長を促進する。それは主訴の解決に導くプロセスを導引する要因となる。訪問心理士の場合、その知識と経験が生かされるか否かは管理職の理解と周囲の協力にかかる重要な課題である。

「困難事例」を解きほぐす――多職種・多機関の連携に向けた全方位型アセスメント

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改訂増補 精神科臨床における心理アセスメント入門

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  • 作者: 津川 律子
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第14巻 心理的アセスメント (公認心理師の基礎と実践)

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面接技術としての心理アセスメント-臨床実践の根幹として

面接技術としての心理アセスメント-臨床実践の根幹として

  • 作者: 律子, 津川
  • 出版社/メーカー: 金剛出版
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  • メディア: 単行本
心理士の力を生かすか否かは、当該心理士の鍛え上げた臨床アセスメントの力、目の前のクライエントのために展開する力に起因する。そして、組織の中で心理士が活動する場合には、ある程度、周囲の協力が必要となる。その協力とは、周囲のスタッフが心理士のアセスメント、カウンセリング後の対応に関して、当該心理士に対し「聴く耳」を保つことである。勿論、心理士の前に医療機関での医師が存在する場合には、その医師の判断をまず第一に考慮に入れる必要がある。臨床経験を積み重ねた有資格者の心理士(師)であれば、数回のカウンセリング、心理療法によってクライエントの病態水準を捉え、適切な心理支援、環境調整の見立てを行い、適切な心理支援を実践することから、概ね3回の心理面接でクライエントの症状の緩和や行動変容に至る気づきと自己決定が顕れてくることが見通せる。しかし心理士の周辺には、当該心理士(師)が活動する相談室に近いスタッフがいて、時に心理臨床の有資格者ではないばかりか、心理臨床経験が浅いスタッフが参加することもある。特に前者に対しては、クライエントの病態水準に沿った慎重な対応ができる反面、後者では、いわゆる相談員という名称を得てクライエント支援に参加する立場の人もおられる。大切なことは、このような上記心理スタッフが自らの見立てに基づき、具体的に対応することとなるが、しばし、無資格者相談員の場合には、心理士のクライエント介入前後の対応法について、直接確認する必要があるが、それがなされていない現実がある。

 本稿では過去幾度となく、無資格相談員のクライエントへの対応の指導を顧みない単独行動の危険性を指摘してきたが、様々な経験を積み重ねるうちに、いくつかの失敗類型ができあがってきたように思われる。

 ①病態水準の見極めをあやまる結果、心理士の介入直後、心理士の対応方針の聞き取りを行わないまま勝手な判断でクライエントの介入し結果的に改善、解決までの過程を著しく妨げてしまう。

 ②当初重篤な病態であったクライエントが改善の兆しを見せ、相談室に連日訪れるようになった折、心理士有資格者の不在時、身近な無資格相談員が、不用意に不適切な介入を行ってしまった。結果、心理士単独との間では、3回以上継続面接が成立していたが、突然、相談室に姿を現さなくなってしまった。

 ③心理士(師)有資格者が面接の構造化を意識して成立した継続面接の予約を心理士(師)の不在時、改善された症状とクライエントの自由意志を根拠として、身近な無資格相談員がキャンセルの判断をしてしまった。

 ④訪問心理士(師)が相談室に訪れ、クライエントに心理介入した後、顕著にクライエントの病態が緩和しているにも関わらず、心理士(師)の助言も聞かず、身近な相談員の自己判断で介入しクライエントの安定した心理状態を壊してしまった。

 ⑤臨床心理の知識はもとより、医学知識、法律知識が希薄であり、身近な相談員が無資格相談員の立場にあるにも関わらず、担当心理士(師)の指導に耳を貸すこともなく、一方的にクライエントに介入してしまった。


 ⑥無資格者であることを棚に上げて、心理士(師)の今後の対応に傾聴することをしないため、結果的にクライエントの病態水準を悪化させてしまった。医療機関で治療中のクライエントに対して、無資格相談員の知りたいという欲求を充足するために通常の枠組を超え、2時間以上も面接室で訊問したため病態を悪化させてしまった。 その後、心理士が丁寧にフォローし改善に導いた。しかしその後も無資格者が不適切に介入した。その後、生じた結果を、自己保身する意図から、訪問心理士(師)が心理介入したため、状態が悪くなったと、虚偽の風説を流布し、訪問心理士(有資格者)の業務が妨害されたことが複数回あった。




 別稿でも指摘した内容と共通する問題だが、臨床心理士資格に加え、公認心理師資格が制定され運用されている現実の中で、不適切な判断を続ける身近な相談員は、相談室のスタッフの名札を取りはらわなければ、真の意味でのクライエントの支援は難しいと考える今日この頃である。


  人海戦術に長けた身近な相談員が相談室のスタッフとして、優秀な相談員の立場を押しのけ、偶然採用されたが、心理士の資格を保持しないことはもとより、資格を保持するための正規の努力を積み重ねることもせず、構造化面接、パーソナリティ・チェンジ、自我状態のアセスメントに関わる基礎知識が悉く欠落しているにも関わらず、自分の身の保身のため相談室のスタッフとしてしがみつき、オンライン傾聴研修のみで、医師はもとより心理士(師)の指導に耳を傾けることなく、クライエントの来談時ごとに不適切な介入を行っているケースがあることに、かつての優秀な同僚として存在した心理相談担当の立場の存続を壊したひとに、著しい憤りを痛感する今日この頃でもある。


 また目的もなく、ただ構成員の考えていることをリサーチするなど、安易な思考からスクリーニング面接を常に指示したり、長年の中で管理者の指示のもとに、訪問心理士の確立した支援法をないがしろにして「決められたやり方などない」などと軽々しく言う管理者の見識に首を傾げる無意味な日々を過ごしてきたことを想起すると、クライエントへの心理支援は何のために行われるかよくよく考えて頂きたいと率直に捉える今日この頃でもある。


【追記】
訪問心理士が長期休暇の途中で、組織がどのような状態にあるか電話を入れることがある。長期休暇の時でも電話を受信する体制は整えられるのが通常で、それが困難な場合は、管理職2名が電話を受ける必要がある。ところが、訪問心理士が電話を入れた所、管理職(所属長)が電話に出たにもかかわらず、突然、切られてしまったことがあった。その直後、電話を再度入れた所、初任者研修の担当スタッフが出た。所属長の所在を問うた所、今退勤したと回答があった。仕方なく外部スタッフに状況を話し伝えてもらうこととなった。
 管理職によっては、自分の個人的な事情を優先して訪問心理士の報告を受理しない人がいる。緊急性への認知の共有が著しく困難となる。組織に関わるクライエントが長期休暇の間に何が起こっているか確認するのは通常であるが、その重要性を認識していないのは重大な問題であると感じた。それに加え、勤務時間終了時でもわざわざ会議を入れて訪問心理士の報告を聞かない時があった。その報告を管理職が聞かなかったため、更なる緊急事態が発生する危険があった。その状況に関するアセスメントを共有しないがゆえに対応が遅れ、結果的に訪問心理士に対応を事後的にサポートを依頼せざるを得なくなった。緊急度が高い心理士の対応は当該所属長及び副管理職がいついかなる時でも傾聴姿勢を怠っていたこと、訪問心理士の話を聞こうとしない傲慢な態度にあると捉えた。
 正式な勤務日と異なる連絡会に欠席する旨、事前連絡をしているにも関わらず、数カ月にも経過して訪問心理士が来ていないと副管理職を通じてクレームを伝えられるケースもあった。しかしそれは、組織の中の事前連絡受理体制が不十分だったに他ならない。契約通りの対応をしている訪問心理士の報告を傾聴しない体制自体、改めるためには、どうしたら良いか。公の組織は、猶更、人事異動を含、振り返る必要がある。訪問心理士の報告を聴こうとしないのは、明らかにパワーハラスメント条項に該当し公益通報の対象となることを付言せざるを得ない【2022.8.25追記】







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