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スクリーニング面接が必要となる理由 [心理]

各グループの構成メンバーのニーズと問題点を把握するために訪問心理士がスクリーニング面接を依頼されることがある。他方で各グループには指導者が担当し適宜対応している現実があるとすると、担当指導者から提出された問題点をピンポイントに解決する面接に焦点化した方が合理的とも言える。

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それにも関わらず管理職がスクリーニング面接を求めるのは何故だろうか。それは、各指導者に指導力の差があり、他ならぬ見落としが隠れているからである。スクリーニング面接に対して非協力的姿勢を示し、各グループの指導者が自身のペースに固執するケースもあるが、それは裏を返せば、自分の担当するグループに何等かの問題を抱えており、適切なアセスメントがなされず、また課題を共有しようとせず何らかの決定的な見通しが隠れているからである。その証拠に各指導者の中でも顕著な差があらわれている場合、当該指導者に助けを求められず、回避ないしは、抑圧、攻撃行動などクライエント特有の行動パターンとして顕れていると解さざるを得ないからである。

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【追記】
但し、複数の心理士(師)が訪問している相談室では、できるだけ公平な対応を行う配慮を行う必要がある。例えば、D心理士には、保護者面接だけを任せ、A心理士には、子供のスクリーニング面接を委ねるという判断は、従来の労働条件や委託信任関係と比較して不利益取扱いとなることがある。特にクライエントの数が膨大である場合、それを一方の心理士だけに任せるのは、過度な負担感を生じさせ、それ自体不利益取扱いとなる。それに加え、そのような大切な判断を両心理士に事前の相談もなく、管理者の思い付きで判断を下すのであれば、論外である。緊急性を目的とするのであれば、緊急度、重篤度に応じて訪問心理士に主訴を予め正確に伝え、解決に向けてピンポイントに人選し介入することが効果的であり、組織の会議体を通したうえで、A心理士にもD心理士にも同様の打診をする必要がある。そのプロセスを遵守することが公平であり、両心理士の適切な専門的助言も受けることが可能となる。
 それにも関わらず、今のクライエントの気持ちや状態が分からないからわかるために、一方の心理士に全て丸投げする形で、依頼するということは、管理職に個別的指示をする力が希薄であると言われても致し方ない。個別的ケースのクライエントが抱く主訴に関する見極めを行うことが難しく、心理士に丸投げをすることで、問題の抑止をしようとする意図が伺える。しかし目的が明確ではないスクリーニング面接は、意味が希薄であり、労多くして獲得する利得が少ないばかりか、訪問心理士の活動の重要性を蔑ろにしていると判断せざるを得ない。
 時に、心理士の報告の中には、主訴が解決されないクライエントの状態を複数回、報告することがある。それに対して、不遜な態度をとる管理者は、「皆知っていることだ」と一蹴する輩もおられる。しかしながら、角度を変えると、そもそもクライエントの主訴を把握しながら適切な心理・発達サポートが出来ていないことから、クライエントの不適応状況が反復しているため、繰り返しの報告が行われているからに他ならない。そのような管理者に限って、上記のような不利益変更に関する不公平な判断を行い、多くの職員の反感をかっていることが多くみられる。また角度を変えて指摘すると、それは、訪問心理士や他のスタッフの意思を汲まない地位の乱用であり、次年度の採用をちらつかせるならば、それは、パワーハラスメント、ひいては、強要(刑223)として、公益通報されることとなることを覚悟する必要がある。
 職務の遂行に必要不可欠なPCの使用を制限されたり、別室に片付けるよう不公正な対応判断が顕れた時、上記パワーハラスメントの端緒となる。発言記録を残し公益通報の準備を行う必要がある。
 スクリーニング面接は、明確な目的をもって、複数の心理士の過度な心理負担を負わせることなく、従来の対応の基本を尊重しながら、組織の会議体でよく話し合い起案することが必要である。
 尚、クライエントの直接の指導者はスクリーニング面接後聴き取りに訪れるのが通常であるが、相談室に聴き取りに訪れることすらしないケースがみられる。その場合、心理士との連携姿勢を欠いた不作為であり論外である。直接の指導者から管理者が聴き取りを行った方が速い対応となる。しかしそれにも関わらず不明確な目的で管理者がスクリーニング面接を希望し、訪問心理士に対応を望む場合、それは、グループ責任者や教職員はじめ直接の指導者に対する対応の不安感、不全感が隠れているからに他ならない。それは管理者が管理を行う資質に関わることではないかと思われる。
 ここで冒頭の問題に振り返るならば、そもそも管理職と各指導者、各指導者と当該グループ所属のクライエントが相互に信頼関係が築かれていれば、例えば組織内にいじめの事実があるかスクリーニングする等必要ではないはずである。いじめやその他の対応が適切でないまま放置されているからこそ、管理職に「スクリーニング面接が必要」という動機が生じるのだと考えざるを得ない。

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