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心理技法の統合に関する所見 [心理]

心理技法の統合を唱える考え方がある。



統合的なカウンセリングと心理療法への招待:クライエントの多様性に応える

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心理療法統合ハンドブック

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統合的心理療法の事例研究

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子どもと家族を援助する―統合的心理療法のアプローチ

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  • メディア: 単行本


心理技法の統合は、その反面、数々の技法が存在することの裏返しである。そして、数々の技法が存在するということは、クライエントがおられるということに加え、生育歴や心理環境を踏まえると、千差万別の事情があることを意味している。


心理技法を学ぶ機会が文献や研修、先人からの教え等様々な機会がある。経験が不足している中である技法を行使する際は、当該セッションで偶然効果が発揮されると感じることがある。しかし継続面接の場合、次回面接にクライエントが訪れなかったり、クライエントの保護者や心理環境の変容が見られない場合、必ずしも当該効果が持続するとは限らない。


その意味でCounselingや心理療法の技法は、先ず、原則的なケースにおいて展開する力と経験を身に着けた上で、異なる場面や近似した場面で、原則的な技法の展開を程よく応用できるよう調整する力を積み上げていく必要がある。


クライエントの主訴は千差万別である。その症状や心理環境も様々である。その中で中途半端な技法の修得で技法を統合することを意識しすぎると、治療過程でのアセスメントを見誤る恐れがある。先ず初学者の方は、一つの技法を貫くことを意識されると良いと思う。


 1つの技法を展開していくと必ず、限界に辿り着く。例えば、認知、行動、イメージ、神経心理、身体反応等、様々な観点から効果の限界に気づくことがある。しかしその気づいた段階でどのような要素が足りないか、自ら展開する技法にどのような要素を付け加えたら良いか気づくことが大切である。その時、諸技法を学んでいると自らの技法と連結するヒントが得られることがある。一つ一つのケースを通じて、自らの技法を軸に目の前のクライエントに適応する技法を加えていく意識をしていくと、技法の統合の志向に近づいていくと言えるのかもしれない。


 もっとも、技法の統合という視点は、多種多様のクライエントの主訴を限られた理論を束ねようとするものであり、自ずから限界に突き当たると言わざるを得ない。DSM-5の全ての障害を特定の技法を束ねた諸理論で、解決した心理士(師)がおられるのだろうか。医療機関の心理士として15年間経験があるが、主治の医師が仰っていたように残念ながら、そのような心理士の方は聴いたことがないのが現実と捉えるのである。


いずれにせよ、Counselingや心理療法の技法の効奏を決するのは、クライエントの事前、事後の状態と建設的変容及び、クライエントを取り巻く心理環境の変容であると思われる。


 


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