不登校の心理臨床-見守る側の責任 [心理]
不登校の心理臨床は、クライエントを見守る保護者が心理サポートに繋がるかが鍵であるが、実は最も難しい点でもある。
不登校を抱えている旨が記された手紙を拝読する機会がある。文面から察するに自ら様々なご事情を抱え込んでいる様子であると見られた。子供を見守る家族が適切な心理サポートに繋ぐ自己決定ができるかが鍵と捉えた。不登校の主訴を抱えるCL、家族は、先ず専ら自分の力で解決しようとする。専門家からの時機を捉えた助言を得て、働きかけ、効奏すれば良いが、自らの判断でうまく行かず、時に何カ月、何年も症状が改善しないケースがある。長い不登校の中では、昼夜逆転による生活リズムの悪化や抑うつ状態、睡眠障害の出現、外出や運動なしの生活を続けた末、家族間のコミュニケーション不全が生起する。特に最近では、インターネットやスマホ依存、ゲーム依存による生活リズムの変化による睡眠不足、注意・集中力低下、意欲の減退など様々な訴えが聞かれてくる。最近では、医療機関につなぐと、特に起立性調節障害と診断されるケースが多くなった。
保護者には、教育を受けさせる義務(憲法26条参照)がある。生活リズムがくるい学力が低下して後々困るのは、御本人である。手紙を拝読した知人の心理士(師)は、「できることがあればご一報下さい」と留守電に入れる場合もある。不登校のクライエントを見守る保護者の方は、羞恥心、プライドを脇に、自己開示する勇気を持たれ、できるだけ速やかに心理士(師)(有資格者)に繋がることがあればと感じている。
不登校の背景には、性格・気質、本人を取り巻く環境要因など様々な要因があると解される。しかし見守る側、保護者にも責任がある。保護者が幼少期の生育歴を理由とするかもしれない。しかし思春期、青年期を過ぎれば、自らの判断が心理環境を形成する。「人格形成責任」と捉えるのである。
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