専門家会議に感謝の意を示すこと [健康]
緊急事態宣言が解除され早ひと月が経過しようとしている中48日ぶりに全国で100人の感染者数を超えたと報道されている。他方で、政府の発表では、専門家会議を解散する旨、一方的な告知がされた。ガイドラインをつくり対応しようとしているが難しい現実に直面している。
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専門家会議の医学的な見地を踏まえた提言は、経済活動という観点からすると率直に厳しい内容であった。しかし、感染予防という医学的観点からすると的を得た対応であったと振り返る。感染を拡大し続けている歌舞伎町のホストクラブや水商売のガイドライン、感染予防が疎かな人材派遣企業をはじめとするガイドラインを策定する前に、先ずは、国民の批判を受けながら真実を伝え続けた専門家会議の先生方に感謝の意を示すのが、人として不可欠な態度ではないかと捉えている。
ここの所、政府の決定は常に一方的である。民主主義（国民主権）をないがしろにして日本国憲法で保障する規定を土足で踏み越えていく判断が日々繰り返している。もっとも日本国民の平和的生存権に影響をもたらすイージスアショアの配備計画の停止決定は、一方的であるが国民の平和的生存権を守るために誠に適切な判断だったと省みる。しかしながら来年度東京五輪を予定する中で、専門家会議に感謝の意を述べず一方的に解散させる形で、次の段階に移行しようと試みるのは時期尚早である。全国で100人越えの感染者の拡大は、もはやPCR検査やワクチン開発、新しい生活様式の浸透等、専門家会議の医学的に理にかなった提言を事実上ないがしろにすることで、生じてきた結果であると解される。感謝の意を表することもなく、政府の首脳の赴くままに国の安全を強引に導こうとしている今の現実があと1週間、2週間、1か月後に国民の健康と安全にとっていかなる結末をもたらすのか、想像するだけでも恐怖がよみがえってくる。
もっとも当選のために多額の金銭を配布して無理に納めさせる行為に対しては、感謝の意を示すことはできない。人としての基本感情が言わば解離状態に至り麻痺していることから生じている現実である。
率直に申し上げると別稿で述べたように水商売、ホストクラブ等は、感染拡大の危険度が大きく、いうなれば食中毒への対応と同様に保健所が介入するべき対象である。国民への健康を脅かす業務は、いかに金銭を稼ぐ仕事だと言えど、存立することはできない。営業の自由への制約は、現行の日本国憲法を改正しなくとも当然認められている内容である。現行憲法を正しく解釈する姿勢を忘れて、自らの都合の良いように日本国憲法の内容を一方的に変えようとしていることから生じている問題でもあると振り返る。
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