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心理士(師)の説明と同意 [心理]

心理士(師)の面接のプロセスでは、医師と同様に患者・クライエントへの説明と同意が求められる。時に患者やクライエントから説明がなかったと指摘されることがあることは、ケースカンファレンスの中で心理士(師)たちから伝え聴く内容である。しかし心理士(師)達が口をそろえていうことは、確かに説明はしました。そして同意も戴きましたという内容である。


病状説明: ケースで学ぶハートとスキル

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インフォームド・コンセント―医療現場における説明と同意 (中公新書)

インフォームド・コンセント―医療現場における説明と同意 (中公新書)

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加えて心理士(師)が属する組織の中でも時折ケースカンファレンスが行われる。その中で振り返ると、クライエントや患者への対応法について説明をして同意も得ていると言う。もっとも同意というのは、何も反応がなかったし反対意見もなかったことに加え、積極的にどうしてほしいという指摘がなかったということも含まれる。

 しかしながら患者やクライエントの方は、時折、十分な説明がなかったと言ってくる。しかし心理面接の時間は限られている。電話面接であれば尚更である。対面においてもコロナの感染予防のために一人30分以内に制御する判断が求められる。遠隔心理支援のためにZOOMアプリを用いて面接する上でも当該心理士(師)が担当するクライエントは一人ではないため時間は制限されてくる。その限られた時間の中で、心理士(師)の認識や記録では、確実に対応法に関する説明をしている。むしろその説明をクライエントが聞いていなかったというだけのことである。それは聴覚検査により異常を来していなかったとしても、自分の都合の悪い内容であると感じた時、心の防衛機制が働き、聴く耳を持たないからである。聞く耳を持たないから説明が聞き取れていないにも関わらず説明がされていないという人に対しては、率直に音声や映像記録をとっておく必要がある。それは致し方ない対応である。

 別稿で述べた自己愛性・境界性人格障害のクライエント・又は患者の方は、上記のような事情があるにも関わらず十分な説明がなかったと他の担当者や管理職に詰め寄るケースもあると聞く。しかしながらそれは見捨てられ恐怖が強くあるために自らの聴くという行動を制御することができない結果である。そのことを踏まえて心理士(師)は対応することが必要であり、国家資格を通った心理士(師)であれば、当然そのことはわきまえているはずである。別稿で述べたようにクライエントはクレーマーに転じることがある。見捨てられ恐怖を感じると自分は傷ついたと一方的に伝え広めようとする。しかしながら振り返れば、今まで当該クレーマ―のために何人もの関係者の心が傷ついてきたのだろうか。他のクライエントや患者対応を阻害して時間を浪費する対応を幾度となく迫られ、巻き込まれてきた方々の話を総合すると、有資格者として、当該疑似クライエントに対して、心に寄り添うという大義名分をもって寄り添い続ける必要とその正当的な理由は存在しない。このように周囲の人達の幸福を、ご自分のペースに巻き込むことで奪うことは、個人の尊厳を基本理念とする日本国憲法の下では、断じて許されるものではない。

 尚、心理士(師)は、自らの対応が説明と同意に基づき、組織的な合意のもとに集団的守秘にも配慮して行っていることを示す必要ある。折に触れ管理職に提出する報告書にそのプロセスを記載し折に触れ、管理職の印鑑をもらっておくことである。仮に当該報告書に印鑑が押され、回覧しているにも関わらず、クレーマーの虚偽的な発言に押されて心理士(師)の対応に疑義を唱える方は、仮に管理職と言えど許される行為ではないとケースカンファレンスの中で若い心理士(師)には指導している今日この頃である。保護されるのは説明と同意のプロセスを誠実に傾聴する姿勢のある患者・クライエントでもありクレーマーではないことは自明の理である。そして何よりも正当なプロセスを経て対応した心理士(師)を守る必要がある。

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