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心理士(師)の自己成長を見守る最近の経験 [心理]

心理臨床業務を始めて25年を超えた。臨床心理士資格も3回目の更新を超え数年が経過した今、訪問先でも予約枠が満杯になる時が多くなった。専門性を尊重して下さる認知が管理職はもとより、クライエントの方々にも認知されてきたことを喜ばしく感じている。他方で、心理臨床業務に関心を抱いた方が、心理士(師)資格を取得され、様々な業務をスタートしているものの未採用の状態である等、うまくいかないという訴えを主訴として聞くことも増えた。



カウンセラー(公認心理師・臨床心理士)という生き方 (イースト新書Q)

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  • 作者: 井澗 知美
  • 出版社/メーカー: イースト・プレス
  • 発売日: 2022/11/10
  • メディア: 新書


私たちは子どもに何ができるのか――非認知能力を育み、格差に挑む

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  • 出版社/メーカー: 英治出版
  • 発売日: 2017/09/06
  • メディア: 単行本



 


 

訪問先で観察をしている時や面接枠の合間に相談室の扉を叩かれ対応したり、直接心理臨床相談室及び研修室の電話にかけてくる心理士(師)有資格者の方も存在する。自分としては、自らの心理臨床体験を振り返り、できる助言をしているが、率直に感じるのは、当該心理臨床業務は、資格保持は有効であり、今になっては必須である が、必ずしも資格を取得したからといって対価を伴う業務に就けるわけではないことを実感している。

 自身も資格取得した当初は、遠方のクリニックに出張して医師からの指導を仰いだり、大学院の講座でスーパーバイザーを務めたり、その技術を活用して非常勤講師を務めたり、カウンセリング講座の講師を経て大学の学生相談室や高等学校の心理士(師)を継続的に対応する機会に恵まれた。その中で感じることは、クライエントの主訴を聴きながら様々な心理臨床支援に関わる中で、医師との連携や助言、同僚との対話やグループスーパービジョンを通じての臨床知識を蓄積することができた。時には、クライエントやその保護者から苦情めいた対応を強いられたこともあるが、クライエントの病態の一部としてとらえ、心理士(師)として受け止め、自己成長に導くことができてきたその積み重ねが、心理臨床の経験値の蓄積となり、心理臨床家としての安心で安全な環境の中で、諸学者や相談担当者に少なからず状況に応じたより適切な助言や示唆ができるようになってきたことが周囲の方への安心感を高める要因となってきたと省みている。

 心理士(師)資格取得は簡単ではないが、資格取得直後の心理士(師)の訴えを伺うと、やはりクライエントの主訴や生育歴の捉え方に甘さがみられると感じることがある。そしてアセスメントの深さは対応の確実さを見通すことができるかということも大切である。主訴を傾聴し、クライエントの状態を見立て、適切にアセスメントしたからといって、自らの持つ心理臨床技法によって解決に導くことができなければクライントや保護者としても通い続ける気持ちにはなりにくいと思う。

    長年の心理臨床経験を文献はもとより、臨床経験の振り返りの中で、日々統合していく必要がある。主訴にもよるが、できるだけ短期間で解決に導くことができる見通しをクライエント及びその保護者に与えたいと常日頃から思っている。もっとも関わる関係者の方の協力が得られるかという問題がある。心理臨床アセスメントと心理臨床技法の展開の中で、クライエントの主訴が解決ないしは緩和に導かれるよう心理支援を行うその目的に協力して頂けるだけの支援者の協力も構築することができれば幸いである。年度契約の更新の中では、新年度より一からやり直す必要があることが大変もったいない時間であると省みる今日この頃であるが、システムからすると致し方ないのかもしれないと思いながら春近い日を過ごしている。

 もっとも、過去に担当心理師が、職務上個人情報保護法や児童虐待防止法、労働基準法、パワハラ防止法など強行法規違反を通報した後に、上位管理者から、異動の決定通知がされた場合、居住地から遠方の異動であったり、一年での不自然な異動など、不利益取扱として判断に関与した管理者が責めを負うことから管理者も慎重に対応する必要がある。


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