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心理士と心理師との違いを省みる [心理]

心理相談又はカウンセリングに訪れるクライエントの主訴は、不眠症状や腹痛、頭痛等の身体症状を抱えている。それに加え、家庭や学校、職場環境等、クライエントがおかれた心理環境によって、各々が抱える症状が重篤化したり、緩和したりすることが分かる。

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その中でクライエントの話(気持ち)を傾聴しているうちに、心理師であることを意識すると、クライエントの身体症状や行動症状、抑うつ症状などをいかにして緩和するか、改善傾向に導くために主治医の指示(指導)を受けたり、心理環境に働きかけるための助言を行うこととなる。しかし、言わば症状改善や緩和に焦点を当てすぎてしまうと、確かに症状の緩和は一時的に訪れるかもしれない。しかし、それはそもそもクライエントの主たる(ニーズ)なのかという問題に直面するのである。


 リストカットをやめられない旨の訴え、処方外の薬の服用をやめられない等の訴え、過食がやめられない等の訴えをクライエントから伺うと、心理師としては、主治医の指示のもと、クライエントの行動を制限する方向に導きがちになるかもしれない。しかし、クライエントが求めているのは、リストカットやOD、過食をしようとする衝動に駆られる背後の気持ちや状況、背景等を聴いて欲しいという切実な思いであり、その思いや隠れた要求に寄り添うことが心理士としては必要となる。クライエントの気持ちに寄り添い、隠れた欲求への気づきに導く中で、必ずしも自傷行為やOD,過食行為をやめるべきといった助言に触れないこともしばしである。そこに触れる前に、クライエントが自らを振り返る機会を作るということ、その中で、自分は何を求めているのか、そして自分は求めているものに近づくために、本当はどうあると良いのか、どのような行動を選択し、どの様な行動を制御する必要があるのか自ら自己決定できるように導くことの方が重要であると感じることが多くなった。そしてカウンセラーが実践するカウンセリングという行為の実態に合っているのではないかということを改めて振り返るのである。


 公認心理師試験が第5回を資格を経て、3万人を超える国家資格者が登録していると言われている。確かに心理師の国家を取得した方が、社会参加の機会に恵まれるかもしれない。しかし、国家資格を取得した心理師の方が、どれだけ目の前のクライエントのニーズに寄り添っているのだろうか。クライエントに寄り添いながら、クライエントの行動変容、自己成長を通じ、健康行動に導き、心理士の先人が日々苦労して築き上げてきたカウンセリングの本体を実現することは、永遠の課題かもしれない。



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