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クレイマーの臨床心理学的対応 [心理]

クレイマーと呼ばれる傾向がある保護者は限られている。家庭不和等その背後の心理をとらえることが必要である。

攻撃性の行動科学 健康編

攻撃性の行動科学 健康編

  • 出版社/メーカー: ナカニシヤ出版
  • 発売日: 2002/07/15
  • メディア: 単行本
子どもの攻撃性と破壊的行動障害 (子どもの心の診療シリーズ)

子どもの攻撃性と破壊的行動障害 (子どもの心の診療シリーズ)

  • 出版社/メーカー: 中山書店
  • 発売日: 2009/09/25
  • メディア: 単行本
理不尽に「攻撃してくる人」から自分を守るスキルの身につけ方

理不尽に「攻撃してくる人」から自分を守るスキルの身につけ方

  • 作者: 橋本佐由理
  • 出版社/メーカー: ぱる出版
  • 発売日: 2016/10/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

臨床心理に関わる仕事の中では、クライエントに対してセオリーに基づく対応を真摯に続けている中で、時に困った方に出会うことがある。他方で、身近な相談員が特定のクライエントの症状から逆転移を起こし、その一見親身な誤対応に依存した保護者が同期してしまう心理構造にも顧みると、その数は限られていて数百名のうち数名に満たない。しかしながら指導者・職員やスタッフがその対応に追われることで、未曾有のストレスにさらされることになる。

先ず、当方の考えを脇に置き、CLやその保護者の方の主訴を聴いてみると、ご自分の特性に基づく困難さはあるが、それを逆手にとって、周囲をご自分のペースに巻き込もうとする姿勢が見え隠れすることに気づくことがある。それは様々な精神疾患や発達障害の特性にまつわる身体症状や行動症状の主訴がある場合、当然、支援スタッフとしては、サポーティブに接していく。しかしながら例えば、教育現場では、怠学傾向の子供がいて、ただ、様々な特性はありながらも、家庭での生活習慣が保持できないために、昼夜逆転の生活が続き、朝起床できない児童生徒もおられる。その状態が常態化すると、親は半ば毎日の対応につかれてしまい、事実上放置してしまうことや本来医療機関で対応すべき療育を相談室に丸投げする保護者も稀におられる。そんな時は、早期の段階で相談機関を利用することが未然に危険を防止することが可能となる。

 他方で、そのような相談を持ち掛けてくる保護者の中には、自分の子供がそのような特性だから周囲の友達も同じような考えを持っていて、相談室の運営の原則を度外視して先ず、自分の子供への対応を優先してほしい、ご自分で汚した机下の掃除当番もさせないで欲しい、気分が乗らない時は、声もかけないで欲しい、挙句の果てには、登校が難しい時は、相談室の電話で他クライエントから声をかけてほしい、他の子にもその法則を適用してほしい等々と、平然と伝えてくる親御様もおられる。確かに、当該生徒の特性を踏まえて考えた時、きめ細やかな対応をすることが望ましいが、相談機関の中でも医療機関であれば、個別対応が原則となる。しかしながら、健康度の高い子供までそのような個別対応を自分の子供のみならず他の子供にも適用してくれと言わんばかりに話を持ち掛けてくるケースがある。

 それは、いわば誇大自己がさらに肥大化した人格障害に近似した自我状態であり、その一人のクライエントに適用する法則を他の方にも一律に適用させるという思考は、あまりにも無理が出てくるだけではなく、他のクライエント、保護者の個別的な意向をくまずに、あたかも多数者の意見を代弁するかのごとき姿勢で半ば理不尽な求めを求めてくる「クレイマー」と言わざるを得ない。

 集団的対応を求められれば、心理の専門的な立場からバランス感覚の下できめ細やかな配慮を行っているのが通常である。ましてや心理臨床経験を深めた有資格者であれば、それぞれの対応にはそれぞれの深い根拠がある。医療現場でもスクールでも心理臨床のセオリーに沿って対応しているのである。

 特に発達障害の特性がある子供がいる場合、聴覚過敏や知覚過敏をはじめ過度な過敏性に配慮し静粛な環境を維持するよう努めるが、先の保護者の子供に限って、衝動性のコントロールが難しく周囲の静粛な学習環境、相談環境を破壊している現実を顧みようとしないことに驚く現実もある。相談現場によって異なるが、完全に周囲と遮断されていない面接室もあり、その時は、他の方々にくれぐれも声のトーンを下げて戴くよう協力を求める中で成立している環境もある。しかしながら、上記主訴を抱えあたかもクレームを述べてきた保護者に限って、本来、医療機関での療育が必要な御子息が、突然、大声を立て、多動を繰り返し他の子供の心に配慮せず土足で踏み込み、保護者も一方的に友達と思い込んでいる周囲の生徒の怒りをかう対応をし、Drの好意的な診断に関わらず実際には衝動性コントロールができないケースが依然として存在する。その事実を指摘すると、周囲に当たり散らす攻撃型気を引くパターンとして、相談担当者に理不尽かつ不遜な指示的態度をとるなど、何らかの形で同じ組織の職員スタッフに影響を著しく与える恐れがあることを顧みると、慎重な対応を求められることがある。しかし、冷静に顧みると、既に初期対応で、前相談担当者が訪問心理士(師)の指導の下に当該保護者に対して、生徒の療育指導の方法について伝えていたにも関わらず、実践できなかったご自身の対応不全の結果が今になって顕在化しているのである。

 さらに、過去、職員の対応に関する不満を抱え、抑圧された攻撃衝動を他の職員に訴え、それで満足できないと、今度は、相談員や訪問心理士(師)に苦情を訴えるケースもある。本来ならば、ご自分のご子息を回復させることが急務であるにも関わらず、心を傾けることなく放置し、時折、状況把握のためアクセスすると、依然として職員への苦情を訴え続けているケースもある。確かに怒りがトラウマ感情であり、それにこだわりを見せる症例もあるが、見方を変えてみると、組織に導く立場にいる保護者が引きこもりから脱却する努力をせず、他の職員とつなぐ努力もせず、放置していることで、児童虐待防止法の放置虐待に該当すると捉えられる。確かに強い衝撃だったことは共感できるが、いつまでも過去の怒りにこだわり、訪問心理士(師)の数回の面接を隠れ蓑にしながら、親権の内容として義務教育を受けさせる義務を事実上放棄していることが明白であれば、上記放置虐待の要件に該当すると言わざるを得ない。

 できれば、そのようなクレイマー対応に時間を費やすのではなく、クライエントの主訴の解決に少しでも促進するために対応をしたいと率直に思う。またCounselorの助言を求められた時、助言を差し上げて、その通りにご自分のご子息に支援をしてくださる親御様と、助言内容と真逆の対応をする場合がある。発達の特性がある子供を動機づけるために相談室の電話を使い他の子供に連絡することを身近な相談員が許すのは、子供及び保護者の依存心も増長することで、もっての他であるが、それでいて、希望の学校に入りたいけれどもどうしたらよいかといった半ば都合の良い相談に再びお見えになる方もおられる。本当の意味で子供のためを思うのなら、自己成長に向けた支援のためにご自分の考えを脇に置く中で、保護者自身の衝動性をコントロールできると、管理職、指導者職員はじめ、数多くのスタッフが児童生徒はじめ数多くのクライエントの自己成長のために充実した時間を過ごすことができると顧みる今日この頃である。

 【追記】尚、最近では、保護者のみならず、一部教職員や管理職、対外的対応では、管理職の長にもクレイマー的対応をする人がいて閉口してしまうことがあった。「読み聞かせ」を専門としているとも聞くが、読み間違いをする場合、仕事は続けられない。特に年度末、業務の引継の際に、初めて連絡した際、当該長の方が履歴書の文言を読み違える等、度重なる事実誤認により、感情のコントロールが困難になり、激昂して電話応対する姿が観察された。事実を事実として認めることができなくなることから生ずる心理現象であるが、忘れてはならないことは、一度でもそのような不遜な態度をみせると他の学校に行っても別の場所で繰り返すということである。加えて長ともあろう方がそのような事実誤認の態度や感情のコントロールが困難な状態が繰り返されると数百人という生徒や保護者が反省をしない不遜な態度というストレスに向き合わざるを得ないことになる。ひいては、生徒のご家族はもとより兄姉弟妹にも日々の心の健康を妨げる原因となる。不遜な態度は、音声の記録に採取され、様々の報道媒体と共有される形で保存されているのが通常である。感情のコントロールを行うのは、保護者の方ばかりではないことを肝に銘ずる必要がある。


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