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ナラティブアプローチー再考 [心理]

C/Gの中で、クライエントの語りに重きを置いたナラティブアプローチの人気は依然として高いものがある

ナラティヴ・セラピーのダイアログ:他者と紡ぐ治療的会話,その〈言語〉を求めて

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  • 発売日: 2021/06/09
  • メディア: Kindle版
臨床ナラティヴアプローチ

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  • 発売日: 2015/03/20
  • メディア: 単行本
 確かに、構造化されたアプローチは、教育の際など、C/G法の基本を伝えるときには、分かりやすい。しかし、実際のカウンセリング場面では、最初から構造化を意識しすぎてしまうと、CLの中で、自分の語りや気持とどこか違うといった違和感が生まれてしまうことがある。勿論、CLが一刻も早く、自分の主訴を解決したいと思う時には、解決に至る最短ルートを欲するCLもおられるのは確かではあると思う。

 しかし、CLの中で隠れた本当の気持や要求への気づきが主訴の解決を促進するのであれば、自然な語りに寄り添うなかで、気づきに至るという観点が必要である。もっとも、カウンセリングが進行していく中で、一定の症状や似たような行動パターンを生み出す性格的要素への気づきに至る場合が多く、その段階で、CLが希望すれば、行動変容やパーソナリティ変容のカウンセリングに切り替えていくという観点が必要ではないかと思う。その意味で、はじめから、技法を特定するという考え方よりも、CLの自然な語りのリスニングに重きを置くというアプローチがいまだ光を放っている要因があるように思うのである。それは、エビデンスがあるかという視点とは別に、CLが自分の話し、自分の気持を聴いて欲しいといったニードに寄り添うことが、CLが欲していることだからだろう。 

 とはいえ、構造化された技法の有効性を否定するものではない。ナラティブアプローチをベースにCLの求めに応じて、必要時ギアをチェンジしていく姿勢でいくと自然に面接過程が進むように感じる。

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