指導者の不適切な怒りの表出 [心理]
指導者が不適切な怒りの表出をする場合、それを受けた人の心の傷つきの大きさは、測り知れない。
指導者が不適切な怒りを表出する場合がある。怒りの対象者がそれに応じた程度の行いを行ったか、怒りに晒される時間が不執拗に長時間晒されてはいないかということで、不当であると感じるか否かが決められてくる。クライエントがそのことを訴えた時、聴き手は、それを傾聴し共感するが、何よりも不適切な怒りを表出する指導者が、自らの感情表出が不適切であることを自覚し、態度変容を行わなければ、怒りの対象者の心の傷付きは決して回復されることはない。
怒りの対象者が18歳未満の児童であれば、児童虐待防止法における「監護者」の「心理的虐待」と同様の行為と解されるし、会社組織であれば、「パワーハラスメント」に該当する。事実を捉えたものはしかるべく公益通報する権利義務が生まれる。
上記の訴えに対して聴き手が、傾聴を続けるよりも管理職が不適切な怒りの表出を続ける輩に対して事実を直面化させ、態度変容を求めることが必要である。管理職がそのことを知りつつ積極的に介入しない場合、「心理的虐待」を継続する不作為であることを公益通報されても致し方ないと捉えるべきである。
対象者の心の傷付きに寄り添う傾聴は大切である。しかし、川の流れに例えると、下流で汚水をせき止める行為である。不適切な怒りを複数者の前で表出する指導者に対し言わば、下流ではなく、上流で「汚水」を堰き止めなければ、心の川は汚れていくばかりである。もはや「清流」には戻ることはないことを自覚する必要がある。
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