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岬めぐり―孤独と向き合う旅- 山本コータロー追悼  [心理]

コータローが天に召された。Facebookでのこうせつの追悼メッセージを読んで知った。振り返ると思春期を超え、青年期から成人になりたての頃、FMラジオで流れていた「岬めぐり」を口ずさみながら、三浦方面に訪れた瞬間を想起した。

岬めぐり[EPレコード 7inch]

岬めぐり[EPレコード 7inch]

  • アーティスト: 山本コウタローとウィークエンド
  • 出版社/メーカー: CBSソニー
  • 発売日: 2016/02/07
  • メディア: LP Record




大切な人が天に召された。その昔、幼少期通ったスクールバスで友達と口すさんだ曲は「走れコータロー」だった。当時、歌詞の意味も分からず皆で歌いながら帰ってきた想い出がある。記憶というものは不思議なもので、名前は思い出せない友達や先生の笑顔がぼんやりと保持されている。何となく自分達の園服が、夕陽に照らされ皆笑顔だったような記憶が蘇ってくる。学童期を超え、青年期から成人期にかけて流行ったのが「岬めぐり」だった。当時、FM局でエアチェックしてたカセットテープを入れた2代目ウオークマン持参で、品川から京浜急行に乗り、終点の三崎口に向かった。三崎口からバスに乗り換え、曲を何度も繰り返し口づさみながら、城ケ島に向かった。城ケ島灯台の付近で、海を眺めながら、コータローさんの笑顔を思い起こし曲を口ずさんだ。孤独と向き合うことをテーマとした曲だけれども何故か淋しくはない。その時、バスで岬を回った自分は、一人だった。けれども不思議と孤独ではなかった。


 ここ数年で、またフォーク界で大切な人が天に召された。順番と言えば順番かもしれないが、できることならば、いつまでも歌い続けて欲しかった。こうせつさんの追悼文には、1986年原水爆反対のフォーク集会のため、電話をくれたのがコータローさんだったと言う。3年前、最後にあったのも広島の原爆養護ホームに慰問に行かれた時だったという。「いつも弱い人の立場から、社会の不公平感を自問自答しながら、笑顔で生きてきたイメージ」「また一緒に歌いたかった」とこうせつさんは、追悼文を捧げておられた。


 人間が、自己成長に導かれるのは、一人になった時である。心理療法、そしてカウンセリングは、クライエントに共感姿勢を貫きながら寄り添う中で、クライエントがあたかも一人である状態に導く。そして、気づきから、心理葛藤を乗り越え、自己決断に至るプロセスを辿る。


 「岬めぐり」は、自分と向き合うため、一人になる勇気を与えてくれた。たった一人で岬をめぐる間も明るい響きを奏で見守ってくださった。どうか安らかに天国から私達に語り掛けて下さい。支えて下さり、見守って下さり感謝申し上げます。有難うございました。


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