心理士(師)と心理教育の接点 [心理]
心理士(師)は、カウンセリングや心理療法、心理アセスメントに加え、折に触れ心理教育の機会がある。特に訪問心理士(師)においては、訪問先で対応するクライエントに共通する要素を法則化することで、心理教育に生かせることが可能となる。
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心理士(師)の領域は、それを支える個人によって多岐にわたる。その中でも、軸となる活動がクライエントの主訴に向き合う中で、気づきや自己決定を支援するCounselingや心理療法であろう。訪問支援においても私設心理支援においても、対応するクライエントのケースが積み重なる中で、不思議と、相互に共通点が顕れてくることに気付く。
それは、クライエントや主訴が異なったとしても、対応支援するCounselor、Therapistが一人の人によって対応されているからと考えられる。特に訪問心理支援において、訪問先の複数のクライエントと向き合う中で、主訴をもたらした要因、認知行動特性、環境要因、環境調整、対処方針など数多くの場面で互いに似通っていることに気付くことがある。その場合、先ず第一のケース支援の中で、導き出した解決プロセス、法則性を第二のケースで適応してみることが大切である。確かにクライエントにより主訴や対応法は顕著に異なるが、第二第三、第四のケース対応に進む中で、より高次元の法則性をCounselo、心理士(師)が認識する中で、解決の糸口がはっきりと見えてきて、徐々に対応の確実さが増してくる。その法則性を理論化したものが、当該訪問先のクライエントに適応する心理教育の素材となりうる。そして、クライエントにみならず、関係するスタッフに必要に応じて、その解決プロセスを共有することで、グループの中での支援が促進され、支援法が確立してくる。
大切な観点は、体験記憶を言語化し、問題点を主訴解決を妨げる要因を一つ一つ洗い出す中で、クライエントの自己決定で乗り越えていくそのために寄り添っていくことではないかと思う。
もっとも訪問先で、指導者の対応不全に関して、意を決して相談に訪れたCLの面接に関して連携をする姿勢に無く、自らの指導法に関して振り返ることができない場合には、CLが同様のストレスを抱え続ける負担を強いることになる。直接、観察すれば、明らかに指導力が発揮されていないケースもありうる場合、明らかに指導力を欠いた「ベテラン」指導者にありがちな傾向であることを省みる必要があるかもしれない。
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