棋聖戦 第3局 [学び]
第92期ヒューリック杯棋聖戦第3局は、藤井聡太棋聖が渡辺名人を100手で下し、3戦ストレートで勝利した。初防衛に成功するとともに、史上最年少で九段に昇段した。
藤井聡太の軌跡 ~400年に1人の天才はいかにして生まれたか~ (マイナビ新書)
- 作者: 鈴木 宏彦
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2021/05/24
- メディア: 新書
藤井棋聖は、昨年獲得した棋聖を争う戦いにおいて、初防衛に成功するとともに、史上最年少で九段に昇段した。数日前王位戦で豊島竜王に104手で敗れた藤井棋聖・王位二冠、敗戦の心理的ダメージを引きずっているかと危惧した。3局とも途中残り時間が数分であったり、勝利する確率が10パーセント未満の状態(コンピューター予測)に幾度となく追い込まれたが、相手玉に向けて飛車を打ち込み攻め続け、持ち時間を使い果たした末、渡辺名人が追い込まれて悪手に手を染めたことが勝因となった。最近、NHKの将棋トーナメントでも対戦相手との勝利する可能性をコンピュータ予測する数値が興味深さを増しているが、残り1%になっても逆転する集中力は、並大抵のものではないまさに天才であり、努力の天才でもあることは知られている。今日で渡辺名人との勝率は、8勝1敗、王位戦で対戦する豊島竜王との勝率は、1勝7敗となった。負けた経験を引きずらず認知変容を見せ、王位戦第2局から逆転して欲しい。大切な高卒資格を返上された勇気に報いるためにも是非勝ち続けて欲しい。
最後の記者会見で藤井棋聖は、「この喜びを誰に伝えたいか」という記者からの質問に対して、「これから王位戦・(叡王戦)と続くのであまり喜んではいられません」と熟慮の末応えたのが印象的だった。民放局で紹介された過日の王位戦2日目で、昼食「カレーライス」を当て豊島竜王に敗戦に導かれた杉本師匠と即答しなかったのは、新たな体験の中で成長を遂げた証ではないかと感じた。
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