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新型コロナウイルス感染予防と治療、新しい生活様式の確立に向けた行動変容のステップ [健康]

緊急事態宣言より1月、5月末日まで延長される方向となった。新型コロナウイルスと格闘する中で、医学、薬学研究が進んだ。その中でウイルスの暗闇から脱却していくために僅かながら光明が照らされてきたと予感している。


インターロイキン・ネットワーク―生体防御の分子機構

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  • 作者: 羽室 淳爾
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2020/05/04
  • メディア: 単行本
細胞工学 12年7月号 31ー7 特集:ILー20以降の新しいインターロイキンの機能と関連疾患

細胞工学 12年7月号 31ー7 特集:ILー20以降の新しいインターロイキンの機能と関連疾患

  • 作者: 吉田裕樹
  • 出版社/メーカー: 学研メディカル秀潤社
  • 発売日: 2020/05/04
  • メディア: 大型本
免疫と「病」の科学  万病のもと「慢性炎症」とは何か (ブルーバックス)

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  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/12/19
  • メディア: 新書



 先の見えない暗闇、この2か月間、外出自粛の中で、Counseling関連の在宅勤務を継続しながら、一刻も速く解決プロセスを探し当てるため頭の中でイメージングしたキーワードを連想してみた。

 新型コロナウイルス、5μ 嗽、手洗い、手指消毒、身体接触予防 社会的距離、エアロゾル感染 予防のためのサージカルマスク、定期的換気、室温調節、他方でBCGによる基礎免疫獲得、新薬治験、重症度に応じて、アビガン→レムデシビル→アクテムラ等々である。「アクテムラ」は、炎症性サイトカインの一種であるインターロイキン6の受容体を遮断することで、効果を発揮し、一部の過剰な免疫反応に対して効果があることが知られている。同剤は、関節リウマチなどで承認されているが、重症新型コロナウイルス肺炎対象に処方されることが企図されている薬で現在、中外製薬で治験(phaseⅢ)の段階にあると聞いた。




 今回の新型コロナウイルスの怖さの一つに感染力の強さがあるが、その反面、ウイルスが増殖していく理由にインターロイキン6の作用があり、免疫細胞が暴走して増殖するというメカニズムがあることに気づかされた。当初、ウイルスが口や目、鼻を通じて体内に侵入すると、体内の血中で細胞を侵食して増殖し、また、肺中でウイルスが増殖する。その特徴は、進行速度が極めて速いことだと言われている。医師が説明する胸部X線の画像所見では、当初、綿埃状の物質が画像の中で観察され、徐々にその綿埃が増える中で、数日間のうちにある時、一気に肺全体を覆いつくしてしまう。通常、肺炎は、肺の中の特定部位を侵食することに留まるが、新型コロナウイルスは、肺の全体を覆いつくしてしまうことがX線写真や胸部CT所見から伺うことができる。

 その中で感染した患者の方は、呼吸困難状態を緩和するため人口呼吸装置や人工心肺装置が使用され、時に死に至る重篤な病となる。そのプロセスを省みた時、ウイルスが増殖して症状が急激に悪化する理由がウイルス自体の力と解していたが、この度の最先端の医薬研究の中で、「自己免疫が暴走して重篤化する」というメカニズムが解明されてきた。となると、自己免疫の暴走を抑止する必要があり、抑止するための薬が開発過程にあるという説明が説得力があるものとして自身のイメージとしてつくられてきた。またその中で、日本人の感染者の致死率が低い理由としてBCG接種により基礎免疫が活性化されているということが推察されることが安心感を強化する要因となっている。

 確かに今は、感染者が未だ減少傾向に転じているとは言い難く、緊急事態宣言に基づく緊急事態措置の延長があと1か月継続されることとなった。その中では引続き、人と人との距離を2メートル以上、社会的距離(ソーシャルディスタンス)を保ち、人と人との接触機会を7割、極力8割減らす中で、感染者を極力減らす社会的な営みが行われている。しかし現実には、自宅に引きこもる生活は、人間本来の健康を保つ上で難しい面も多く、また、国の経済活動を抑止してしまう結果となっている。人間が健康で文化的な最低限度の生活(憲法25条)を維持するためには、やはり、日の光を浴びながら適度な運動と適度な睡眠と食事を日々積み重ねる中で、人と人とが共感的なコミュニケーションを重ね自己と他者への信頼関係を築いていくことが、個人の尊厳と生命・幸福追求権の実現を目指していくことにつながる。他方で、これまで当然とされてきた生活様式を変えなければならない所まで追い詰められているような心境になってしまっている状況にある。

 しかしながら先ず、感染症予防のポイント①感染源の排除②感染経路の遮断③抵抗力を高める等を日々実践する中で、ウイルスを体内に入れない、ウイルスを広げない工夫を常に意識づけ実践していく新しい生活様式を確立していけば、必ずや近日中に社会的感染の蔓延を封じ込めることができるものと確信する今日この頃である。

 そして今注目していることが、抵抗力を高める=即ち、免疫力を獲得することである。確かに既に新型コロナウイルスに感染して改善された方の中には、ウイルスを抑圧する抗体をお持ちの方もおられるだろう。しかし、WHOは、抗体を獲得したからといって、再び感染しない保証はないと言っている。それは新型コロナウイルスの構造が2重螺旋構造をなすDNAではなく、一重螺旋のRNAであるからと解される。一重螺旋であるから感染が続いてきた時、突然変異がし易くなることに加え、中国株から欧米株に感染が広がる中で、構造変化を繰り返し重篤化されていく可能性が高まる。ゆえに抗体ができにくくなるのだと理解される。

  しかしながら、これらの一連の構造が明確化されてくると、対処の仕方が分かってくる。勿論、新しい生活様式を確立しながら、ウイルスに感染しないことはもとよりであるが、仮に感染した場合でも早期にPCR検査につながり、初期症状では、風邪症状を止めるための適応薬を服薬し、それでも肺炎症状が治まらない時には、初期症状を抑える第一段階としてアビガンを服薬しそれで改善傾向を見せれば、経過観察の末、退院する。改善傾向を見せなければ、レムデシビルを点滴投与しては、経過観察する。そして、インターロイキン6による免疫暴走を抑えるためにアクテムラを処方する。アクテムラは、炎症原因のインターロイキン―6(IL-6)と結合することで過剰な免疫反応を引き起こすシグナル伝達を抑え込む作用を持つと言われている。重症の新型コロナウイルス感染症患者に発生する過剰な免疫反応=サイトカインストームに対して改善を示すと言われ、中国では推奨医薬品に挙げられている。



 あたかも、先発―中継-抑えという三本柱があれば、新型コロナウイルスに罹患しても、9割方生命活動は守られる。このようなimageがあれば、もしもの時の対処行動がとれることから、自己効力感に基づく自身感を獲得しながら日々の生活を送ることができるのではないかと感じている。

 2月の頃は、Counseling業務の合間でも、先が見えない不安から、マスクや除菌ジェルを輸入したり、自ら探しに行く時間を費やすことで、つかの間の安心感を得るための代償行動に時を費やしてきたが、今は安堵の心境で日々を過ごす毎日である。幸い身近な家族がマスクづくりを始め、第一号作品が自分の手元に納品された。今後は、Counseling業務に役立てる中で、クライエントの自己成長による問題解決を支えていけたら幸いである。Counselingや心理療法の解決プロセスでは、クライエントの訴えの背景にある症状について、先ず生理学的理解を深め、その上でCounselor自身が解決の見通しを持てるように準備することが必要である。続いてその見通しをクライエントに伝えることで、自己成長の期待と妨げる感情をとらえる中で、問題解決に向けた動機付けを行う。クライエントが自分が変われる、そのためにも今抱えている症状が必ず改善傾向に向かうという見通しが立てば、あとはクライエント自身の新しい生活様式をimageしてもらい、それをスモールステップで行動療法的に実践していく。成功感が高まってくれば、自信感が増すためにさらに行動変容について動機づけられ変容の持続を動機づける契機となる。その中で過去失敗したトラウマimageがあれば、先に進まず、継続しにくい要因となることからCounseling、心理療法のアプローチによりクライエントの認知行動変容に向けて心理支援していく。以上医薬の進化発展が鍵を握るが、新しい生活様式の確立に向けたエビデンスを蓄積していけば、必ずや近い将来、光が差し込める日が来ると感じている。

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