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公認心理師有資格者へのスーパービジョンの現実 [心理]

公認心理師資格合格者36000人のうち27000人が資格登録した現実の中、臨床心理士と公認心理師資格を有する人が数多くいる一方で、福祉や教育、医療、看護等他職種から公認心理師となられた方もおられる。中には、整体師の方もおられると聞いた。公認心理師登録した方にスーパービジョンを求められる機会も増える中で、心理士としての専門職からは少し離れた所から公認心理師となった方がおられることを実感する。教育の中では、厳格な心理面接のマナーを修得していない相談員も存在する。その場合、医療や産業はもとより、教育であれば、SC等の現場に入り適応することは著しく難しい現実があることを実感している。心理面接や心理アセスメントの厳格なマナーはもとより実践的なトレーニングを受けていない方が身近な相談員が数多く存在するからであると解される。


スーパービジョンのはじめかた:これからバイザーになる人に必要なスキル (シリーズ はじめてみよう 2)

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増補改訂 心理臨床スーパーヴィジョン―学派を超えた統合モデル

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産業現場の事例で学ぶ カウンセラーのためのスーパービジョン活用法

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その一番の理由は、医療の中での心理師、そしてSCで求められる、Counseling、assessment業務をはじめ心理士(師)業務の本質的業務で必要とされるCounseling技術、心理検査等の知識や経験が座学のレベルではあるが、目の前のクライエントと心理職として向き合うだけの臨床心理技術が実践で必要とされるレベルに満たない方がかなりおられる。36000名の合格者のうち27000名の正式登録者と乖離が起きているのは、確かに臨床心理士で公認心理師に合格したにも関わらず、未登録の方がおられると思うが、9000名の差は、福祉や教育、看護や医療の中での他職種経験者の方が公認心理師試験に現任者等のレベルで受験要件を満たしたケースが数多くおられると推察される。例えばSWやPSWの有資格者、教師の方が公認心理師資格を得て、医療の中での心理士やSCを志望される方がおられるが、現実にその方から助言を求められた時、クライエントの主訴の自己決定支援に導く心理臨床の現場とはかけ離れている質問を受ける。具体的には、心理アセスメントの知識、投映法はもとより、質問紙や作業検査法の知識と施行経験がほとんどない中で、的外れな質問をされたり、的を得た質問であったとしても、質問紙を駆使することが難しく、目の前のクライエントの希望に寄り添うことが難しい現実がある。確かに経験の中でそれを埋めていけばよいという見方がある。しかしながら心理臨床の現場で、目の前のクライエントは、学生の心理臨床経験を高めるための練習台ではないということである。その意味で臨床心理士資格を有し実践の場面で経験を積み重ねてきた人が公認心理師資格を取得したケースと実力においてかなりの隔たりがあると言わざるを得ない。

 臨床経験の長い心理師の中には、所属学会の中で軸となる様々な諸理論と諸技法に精通し、民間資格を取得してきた方もおられる。その諸理論に基づくassessmentやCounselingの技法を身に着けてから心理師になったか全くそのような知識がなく主に現任者認定を受け座学だけで心理師になったかで、目の前のクライエントの主訴解決に向けた自己決定支援のためには、技量の差は歴然としてくる。

 同じ公認心理師有資格者として同じ職場にいたとしても、民間資格を持たずに心理師となった方は、数多くの知識と経験を経て民間資格も得て臨床心理士有資格者となり、公認心理師有資格者となった人に対して、クライエントの支援法に関して矢継ぎ早に質問を投げかけてくる場面に遭遇する。クライエントのアセスメントのため、質問紙や作業検査法を行った直後、集計作業を行い分析に時間を集中しようとしているさ中、そのような質問を同じ業務時間の中で行ってくる方がいるのは、assessmentのための情報収集作業を妨げることになることから如何なものかと思う。業務内での質問ではなく、自らの心理師としての業務を成り立たせるためにスーパーバイザーを見つけて業務外での学習に切り替えるべきである。クライエントの迅速確実な支援の妨げとならないように公と私の立場を峻別するべきである。

 もっとも臨床心理アセスメントと臨床心理Counseling技術は、専ら座学で公認心理師資格を取得したからといって、一朝一夕で獲得できる訳ではない。筋が良いと思われる方もおられるが、長年培った行動パターンを変えることは難しい現実がある。土日かけて何年間もCounseling、心理セミナーに通い民間資格を取得しassessmentやCounseling技術を修得してきた経験が今になって歴然とした経験の差として現れてくる。国家資格を取得したからといって、実際の心理臨床の場面で必要なassessmentやCounseling技術を獲得しているとは限らず、ひいては、クライエントから資格をもらえた訳ではないことを肝に据える必要がある。

  折角、公認心理師国家資格として統一の方向となった一方で 公認心理師の職能団体が複数に分かれた形になっているが、公認心理師の職能団体に入会金を払い入会したからといって、長年、公的資格に基づく、心理臨床実践を続けてきた者を超えることは並大抵ではない。ゆえに職能団体に新たに加入したことをもって、従来の臨床心理士に比べて職務の採用や更新を含む仕事上の便宜を与えることは、適切ではない不合理な判断である。

加えて、私的な懇親会や忘年会等、酒席に参加したことをもって採用や更新はもとより仕事上の便宜を付与することは違法性を帯び倫理違反となるケースも少なくはないと思われる。


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