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公認心理師でもあるSCとSSW、資格と経験が全く異なることを顧みる [心理]

公認心理師資格を取得したSSWに新しい仕事の紹介を業務中に求められたことがあった。


面接技術としての心理アセスメント-臨床実践の根幹として

面接技術としての心理アセスメント-臨床実践の根幹として

  • 作者: 津川 律子
  • 出版社/メーカー: 金剛出版
  • 発売日: 2018/08/06
  • メディア: 単行本
[三訂]臨床心理アセスメントハンドブック

[三訂]臨床心理アセスメントハンドブック

  • 作者: 村上 宣寛
  • 出版社/メーカー: 北大路書房
  • 発売日: 2019/03/18
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
公認心理師の資格ができて、受験資格を有する者の中にCPを有するSCや心理士だけではなく、福祉系のSSWの経験を経てきた方が国家資格を取得するケースが現れてきた。彼等はもSW的視点から保護者面談を行うことが時折あるため、公認心理師法の要件に該当すると捉えて、受験申請をされ、認められたと解される。しかしながら、CP の有資格者としての心理面接と、SWとしての面接は明確に異なると感じている。顕著な違いは、CP 有資格者は、心理面接の中でクライエントのアセスメントを行う際、様々なアセスメントの基準や心理検査等アセスメントツールを用いて、見立てをしてきたのに対して、SW主導の方は、主に福祉的な観点から環境調整を行う仕事が主であるため見立てをすることが難しく、面接の中でもクライエントの主訴に関する現状を理解するための外堀を埋めていく発問が主で、今一つクライエントや保護者の変容に導く技法を持ち合わせていないことが顕著であると感じるからである。CP有資格者である心理師は、クライエントの現状の見立てをして変容に導く技術を用い続けてきたのに対して、SW有資格者である心理師の方は、現状では、見立てや変容に導く技術を学んでいる所が違う。CLへの心理支援をする際、変容のためにアプローチするのと、技術を学ぶためにアプローチするのは全く異なるからである。公認心理師の国家資格ができて現場では、臨床心理支援に対する理解が共有され、無資格者との違いが顕著になってきて良い面もあるが、心理検査の技術も含むアセスメントの知識と経験に加え、CLを変容に導く技術に関しては、未だに大きな隔たりがあることは、数回の心理面接で変容に導く技術を持ち合わせているか、それとも、ケースの外堀を埋めることが主であって、いつになっても核心に迫れないアプローチを続けている場合とは、直接支援においても間接支援においても、一定期間における成果との関係で、CLの行動変容や自己成長という「結果」にアクセスするか否かという点において明確に異なる。

 公認心理師の結果発表後、CP有資格者と同じと自負されている方が増えてきたが、それは誤解だと思う。仕事の紹介、特に他勤務に関する紹介は、他勤務の業務中ではなく、御自分を心理師に導いてくれた師匠に伺うのが、筋ではないかと思う。SWの方が心理師の資格を取得すると心理士とみなされることを盾に、脚が重くなる傾向もあることを感じる。しかし本来SW、SSWの方は、福祉的観点から要支援者への支援アプローチを行うのが主な仕事であって、本来、CP有資格者である心理師が行ってきた臨床心理アセスメントと心理変容に導く支援を行う心理師の仕事とは、180度違う領域ではないかと思う。両者が異なる領域にある者同士として守秘義務に配慮しながら協同することには意味がある。しかし同じ心理師と呼ばれることになったからといって、これまで継続してきたアセスメントや臨床心理面接の業務経験があるとみなされる訳ではない。業務の中で質問には応じることに関してはやぶさかではないが、アセスメントのプロセスを事細かに解説したり、心理検査の手順を指導したり、CLの変容に関するアプローチの方法について気づきや助言を行ったり、ましてや、他勤務中に新しい心理士の仕事を紹介して欲しいといった質問に応じたりする関係にはないと率直に感じている。

  困ったことは、経験のあるCPの守秘義務を伴う心理検査用具の扱いについて批判し、対応の仕方が誤っていることについて同意を求めてきたことである。率直に当該CPの信用をおとしめる意図を感じ、うなづくにとどめていたが、その後、面接内での対応に対して注意喚起を促す助言をやんわりと行いフロアを去った直後、鍵のかかる所にあった心理検査用紙を取り出したままにして、あたかもCPが対応し忘れたように他の相談員に対して見せかけたことを伺った。同様のCPへの対応と共通することは、新たな仕事を模索するため、CPの信用をおとしめて追い落とす意図があることと解された。このような内容がスーパービジョンの中で若い心理師の中で取り交わされる時、有資格者としての信用と長年の経験を踏まえ、既に当該職についていた者の立場を追い落とす行為が隠れていることをお察しし、どのように対応したら良いか苦慮する問題の類と解される。

 心理師の資格に合格したことで、心が舞い上がり、経験5年以上、時に10年~20年の臨床心理士に対して、突然、有料のスーパーバイザーを広告やFacebookの中で、名乗りでるCP資格を有しない心理師も現れるようになった。登録をした記憶がないグループで時折そのような照会がある時には、いい加減にしてほしいと思うことがある。リラグゼーションルームを続けてこられた整体師の方が、申請して公認心理師有資格者と名乗っている方がおられることを踏まえると、同じ公認心理師と言えどどのような経験を経て名乗るようになったかということの方がCLの心理支援を通じたCLの変容のために大切なことだと改めて痛感する今日この頃である。

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