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心理治療中のCLへの対応原則と配慮 [心理]

現在心理治療中の患者がCounselingを求めてこられる時がある。心理治療中の旨を開示している場合とそうではない場合がある。

臨床心理学 第19巻第4号―公認心理師のための法律入門―仕事に役立つ法と制度の必携知識

臨床心理学 第19巻第4号―公認心理師のための法律入門―仕事に役立つ法と制度の必携知識

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 金剛出版
  • 発売日: 2019/07/08
  • メディア: 雑誌
国家試験が明日に迫っている。明日は暑い日が予想される。昨年度、本試験では、筆記用具だけ机上に置くことが許されたが、第二回の試験では、給水を可能にするための配慮がなされることが予想されるという情報を戴いた。

 ところで、現在、心理治療中の患者がCLになり、他の心理士(師)にアドバイスを求めることが時折ある。特にその場合には、現在治療を受けている医師や心理士(師)の了解を戴くようにするのが安全である。またその点については、特に主治医との関係について公認心理師法で、「指示」という文言で規定されている。これまでの治療過程にあるのだからそのプロセスを大切にすることを示したものである。ここで心理師の資格がなければ、その法の規定は適用されないと解するのが自然である。しかしながら、それを始めたら、収拾がつかなくなる恐れがある。

 特にネット社会においては、尚更である。今日、パソコンだけではなく、スマホを通じてコミュニケーションを行う、様々な方法での手段がある。その中で小グループを結成してコミュニケーションを開始する。すると患者同士が様々な体験を始める中、その中に専門家がいたとき、専門家に質問が集中する。しかし治療中の患者に対してアドバイスを送ることは、上記の法の規定にふれることになるし、心理師の有資格者でなくとも、経験豊富な心理士であれば、ある程度は答えることはできるだろう。しかしながらその患者を目の前にして症状とともに寄り添うプロセスを現実に歩んだものでなければ、薬の処方や日常生活行動の指導並びに、認知行動治療による行動変容等、それぞれの自我状態の変化に応じて瞬間瞬間で判断を下していた者でなければ難しい問題もある。

 特に医師の診断の下、一定の薬の処方がされ、心理士(師)がカウンセリングないし心理療法を続けている時、当初は良好な状態を続けるのが通常である。しかし、時に気質に関する問題や脳の病気を抱えているケースはもとより、自我状態が不安定の患者の症状が突如不安定になることはしばしみられる。その場合、当初は、他の知人に対しても、自分の担当者は優秀であるといった評価で機嫌よく症状の経過を報告下さるが、突然、疑義を呈して、主治医や心理士(師)への対応について批判めいたことを言い出すことがある。その時、有資格者に対して声をかけて助言を求めるが、それに対して、治療過程における良識と正規の資格を持っている心理士(師)は、何も対応しないで静観することが自然である。しかしながら時に無資格の自称Counselorと称する者が突然、それに介入し正規の手続きを経ずに助言をし不正に心理介入をしたり、有資格者に対して紹介し主治医の指示によらないプロセスに移行しようとすることがある。最近では、様々なSNSツールを活用してクライエントの求めに応じて対応するが、結果的にそのプロセスは一時的に症状を軽減したとしても1箇月、2箇月というスパンの中では寛解に至りにくい道のりを歩みはじめる。当初介入していた人は、挙句の果てには、クライエントのニードに寄り添おうと、気功法を持ち出してきたり、ヨガやレイキと称する方法を用い、インナーチャイルドを癒せと言ってくるケースが後を絶たない。勿論のその支援者はCounselorと称したり、セラピストと称したり、心理士と称したり名称は様々であるが、いずれももともとの治療過程で治療を受けている流れと別の流れに入り込ませてクライエントの求めに応じたと言えど、事実上自由な診療行為を行う道のりを歩むことになる。

 しかしながら患者の症状は、気質的、脳科学的な原因はもとより心理社会的背景があり、生まれてくるのが通常であるから、本来の治療過程から外れた道を歩むことで寛解に至る可能性が低いと言わざるを得ない。それゆえ、一見患者やクライエントの立場に立ち気持ちに寄り添う対応であっても、それらは、全て上記の法規定の脱法行為に他ならない。既に本国では、公認心理師法が制定されて施行されている。心理支援を行う立場の者には必須である認識のもとにCP資格に加え心理師の資格を確保するために血眼になっている方がおられる。勿論資格を取得して終わりということではないが、もともと資格を取得するための努力を回避して上記のFacebookやメール、Messenger等のSNS手段を通じて、エビデンスに基づかない技法を用いて心理介入したり、高校や大学を卒業した若い青年や会社を退いた若者を貸事務所に集めて、少しだけ心理学を学んだ経験がある無資格の者が、新たな資格制度を作り、資格認定をして上記脱法行為となる支援をして利益を得るという営みは法の趣旨を根底から揺るがすものであり、国は今後積極的な規制を行っていく必要がある。特に上記の支援を受けた何人もの方からしばし状態の悪化について伝え聴く所からすると、法律の趣旨を大切に具現化することが不可欠であると解される今日この頃である。当該民間資格を取得した卒業生から支援を受けたが憎悪したという訴えが後を絶たない。そのフォローを善意の有資格者が担うことになる。特に上記のSNSでの小グループでは、はじめは小さな集まりから100人、1000人を超える集団を結成して間違った心理教育を受け続けることになる。

 もっとも大学院を出て、エビデンスに基づく技法を行っているカウンセラーの方がおられることは事実である。その方は、御自分の技法を客観的に説明しながらCLの保護のために効果的な方向に導いていかれると良いと考える。

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