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公認心理師 読み替え問題への一つのつぶやきに関する回答 [心理]

第二回 公認心理師 国家試験を明日に控え所謂読み替え問題がくすぶっている情報を戴いた。

公認心理師 実践ガイダンス 4.心の健康教育 (公認心理師実践ガイダンス)

公認心理師 実践ガイダンス 4.心の健康教育 (公認心理師実践ガイダンス)

  • 作者: 野島 一彦
  • 出版社/メーカー: 木立の文庫
  • 発売日: 2019/07/01
  • メディア: 単行本
公認心理師標準テキスト 心理学的支援法

公認心理師標準テキスト 心理学的支援法

  • 作者: 杉原 保史
  • 出版社/メーカー: 北大路書房
  • 発売日: 2019/03/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
公認心理師養成の実習ガイド (こころの科学SPECIAL ISSUE)

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 日本評論社
  • 発売日: 2019/07/22
  • メディア: ムック
 その方は、「教育大学」という名称を挙げて臨床心理士指定大学院と異なり、読み替えがかけ離れている趣旨のことをSNSで指摘されていた。自身も旧教育大学の延長となる大学院でお世話になった。当時CPの単位を充足することを念頭に置き、行動科学系心理科目と、教育系心理科目、医学系心理科目等、3つの箇所に分かれて単位を取った。幸い自宅研究室が都内から近い所にあったため後半の授業は、修士論文を作成するためカウンセリングの臨床脳波の測定研究のためにCounselorと被験者の方の協力を得て行っていた中で、週の中盤から後半を利用して都内での夜間の講義や週末の日中講義も受講して何とかクリアした。確かに科目名を省みると名称が離れている印象を受ける科目もあったが内実は、公認心理師試験の要件を充足するか、国立大学(院)としてそれ以上の内実を有する内容だったと記憶している。

 当初、文科省から読み替えの通達が出た時には、未だ浸透しておらず、担当者の方に電話を通じて科目の実態が符合することを当時のカリキュラムとノート、当時の担当教授、及び学外に出られた先生に手紙を書き、詳細な事情を伝えながら大学の判断を待つことになった。結果、自身の履修した科目が1科目を除き、年末の時点で全て充足することが判明した。そして後、1科目は心理実習に関する科目は、厳密な比較検討の末それから3か月後に読み替えられるというメールを大学院の担当者から戴いた。

 思うに大学の存在趣旨において必ずしも臨床心理学という名称ではないプログラムである場合が当時はあったと思われる。しかしながら公認心理師のプログラムは、国民の心の健康を支援するための健康心理教育という内容も含まれているはずである。そこにおいてカウンセリングや心理療法の技法は、臨床心理学に基づくものだけではなく、カウンセリング心理学や行動科学系のカウンセリング法も含まれるはずである。自身が複数学んだカウンセリング技法や心理療法は、エビデンスに基づく技法として、クライエントの症状の改善と軽減を含む顕著な成果を上げた結果を学会報告にしたり、共著の出版物や論文集となったりしていた。その中では、医師や薬剤師の方も用いて成果を上げていた。そのような現実を前にする時、臨床心理士の指定プログラムでないからといって、国民の心の健康を促進する技法と言えないとは言い切れないのではないかと率直に思う。それに加え、いち早く読み替えに動いて下さった学舎で受講した講座は、上記の公認心理師の要件を十分に充足する内容であったと解される他、自身が医学学群及び修士、博士課程で指導教授の下でスーパーバイザーとして指導した科目においては、まさにクライエントの健康行動への気づきや自己決定支援、及び行動変容支援、加えて自己成長支援として比較的短時間にクライエントの自己決定に基づく自己成長に決定的な役割を果たしたものであり、その支援方法のエビデンスを求めるために自身で購入した脳波計を抱えて府中の研究所に赴き、製作者にその精密度測定を依頼し立ち会った経緯がある。その臨床脳波を測定する計器を用いて経験20年のCounselor2名にカウンセリングを依頼し15名のクライエントから2時間×15名の連続検査データを集め、クライエントの了解を得てビデオないし録音記録をさせていただき、逐語記録に起こし、連続データと技法、クライエントの変容との関係を秒単位で照合し、量的、質的検査を統合し論文にまとめ、倫理の観点も含め大学院の審査を通過した経緯がある。そして何よりもクライエントの評価は、良好なものであったことに加え、自己成長や行動変容がみられ、標準化されたチェックリストで検証された経緯がある。

 一名のCounselorの方の担当された方は、都内の私立大学の複数の教職員のご協力を戴いたこと今でも感謝している。このように自身が用いたCounseling技法は臨床心理学の教科書にはそのままの形で明記されてはいないが、観察、傾聴、確認、共感という基本姿勢に加え、受容、共感、一致という内実を踏まえた構造化された技法であり、臨床検査データの裏づけを以て、検証された言わば血の滲み出る内容だったと記憶している。それを論文化する過程でも指導教官は、たった一文字を削るために改ページをして前頁を出力せざるを得ない指導が幾度となく繰り返していた。最後にはタイトルを変えることも求められた。その時は、悔しくて涙とともに都内から離れた宿舎で眠りについた記憶がある。しかし一晩あけてみれば、やはり指導教授の指摘する通りであり、ようやく受け止めることができたと記憶している。

 以上、通常とは異なる大学院の課程に所属した関係で、科目の取得が数か所の校舎に分かれた他、公認心理師試験前の年末に概ね書き換えが可能という判断が下ったことに加え、あと一科目、上記の行動科学系の健康カウンセリング実習が読み替え可の決定が下るまで、3か月(計6箇月)を要したのは、自身にとって大変な想い出として記憶された心象(傷)体験だったように振り返る。

 ここでもう一度、本文冒頭に指摘した「教育大学」系だからといって読み替えがかけ離れているという文言をSNSでつぶやく若い心理師志望の方に、上記のような苦労を味わった経験がおありだろうか、そして残り1科目の認定について諦めずに読み替えについて誰もが納得する必要な情報提供を大学に送り続けたか問いかけたい。自身は、修了後既に15年以上経過しているが当初は、公認心理師資格試験は存在しなかった。存在しなかった以上、法施行後にように公認心理師法を意識してカリキュラムを構成することは不可能である。しかし心の健康のために設けられた科目であれば、必ず読み込みが可能な手がかりがある。これからでも諦めないで欲しい。

 念のため、修了後も学生相談や診療所での心理士、スクールでのCounselor等、概ね15年の経験があったが、大学院入学前に既に5年以上の産業臨床経験があった。その中で現任者講習に残り一枠のキャンセル枠に入り込み、箱根駅伝4連覇で有名な大学の目の前で概ね5日間の現任者研修を受けて修了証書を戴いた。しかしながら現任者認定の効力は5年間であったため上記のプロセスで読み替えられた大学院の証明書を心理研修センターに送付し受験資格を得た経緯があることを付言したい。

 これでも読み替えがかけ離れた読み替えだというのであれば、仕方がなく残念なことである。御自分のつぶやきの実証的な根拠を求めるためには当時の科目を受講した方から聴き取りをして根拠とする方法もある。

しかしながら同様に臨床現場で何十年もクライエントの心の成長に寄り添う中で、良好な結果を出していた心理士の方が、御自分の履修科目の内実の照合を経ずに読み替えられなかったということで、心理師試験を受験できないとすれば、合格基準を下方修正しようと試験機関に意見する一部の方の営みと比較しても、誠に残念なことである。そして僭越ながら自身の体験記憶を呼び起こしながら、全身で共感するものである。




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