バイオフィードバック療法の留意点 [心理]
バイオフィードバック療法での留意点は、クライエントは被験者ではなく、クライエントであるという認識である。
バイオフィードバックの驚異―心は血圧までコントロールできる (ブルーバックス)
- 作者: エルマー グリーン
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1990/05
- メディア: 新書
バイオフィードバック療法の有効性を感じるのは、例えば、境界例と診断されたクライエントが、見捨てられる怖さが強いために、自分の本当の欲求に根ざす、自然な感覚が分からなくなっている場合、本来の感覚を取り戻すために、行う場合である。例えば、イメージや弛緩法、そして、呼吸法などを行うことで、筋電図の値が低下したり、α波パワースペクトルの出現頻度が増加したりする等、その感覚がクライエントの中で獲得されれば、後は、その感覚を忘れずに測定の微調整を行うことで、行動変容や自己成長への気づきが可能となる。特に、境界例のクライエントは、生育暦の中で、重要他者から見捨てられる恐怖があるために、自分の素直な感覚が何か分からなくなってしまう場合が多くある。そのような時、前頭極脳波を測定し、α波パワースペクトルの出現を観察すると、クライエントの隠れた期待が出てくる瞬間が、α波の振幅や出現頻度か推察される。その状態をフィードバックすることで、クライエントの感覚が戻れば、必ずしも、次回は、生体情報の測定は必要ではない。あくまでもクライエントの行動変容や自己成長への気づきに資する形で、進めるという視点が重要であると思う。
脳波測定が臨床心理研究にもたらしたもの:岡ちゃんの心のつぶやきノート:SSブログ (ss-blog.jp)
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