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初回面接のデモンストレーション [心理]

 放送大学で、『心の傷の回復』をテーマに、大学教官による心理臨床面接のデモンストレーションが放送された。率直な感想だが、リスニングの観点からすると、『事柄の明確化』を多用している印象が強く、今ひとつ気持に焦点が当てられていない印象を受けた。例えば、『母親にポットを投げてしまった(CL)』 『ポットにはお湯が入っていたのですか?(Co)』・・・・・。 『相手の男性といつから付き合っていますか?(Co)』。『(相手は)何時から働いていないのですか?(Co)』といった専ら、『事柄』に関する発問が数多くみられ、クライエントの『気持』に焦点が当てられていない。もっとも、クライエントからは、『誘導されたことを通じて安心して話すことができた』と語られていた。
 初回面接は、本来1時間30分で行うところ、30分間で時間が限られていたことが臨床家から説明されていたが、仮にその時間があるとしても、面接の流れからは、同様な発問姿勢が展開されるのではないかと直感する。尚、『(クライエントの)祖父の仕打ちで一番辛かったことは?』と心傷風景の積極的開示を求めたり、過去の祖父に関する記憶と、現在の体験との照合を求めたりして、面接の最後に今後クライエントがあるべき行動について助言し、「今後もカウンセリングを続けた方が・・」という2度のすすめにCLはうなづき、次回の面接につなげられた。
 個人的な見方ではあるが、深刻な心の傷の回復をテーマとするならば、今少し初回面接でも、いま少し気持に焦点を当て、共感的な傾聴を行い、気づきの中で自由に気持の表出に導くことが、適切と感じている。主訴の背景を明確化する初回面接であり、時間が限定されていたこと、様々な流派があり、『信頼関係をはかりながら発問していく』趣旨を説明していたが、心の『癒し』も念頭に置くことを踏まえると、今少し気持へのフォローが必要だと僭越ながら感じた。
 尚、放送は、全国放映されており、「大学院でも教えている」旨、その教官は説明されていた。


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