プラセボ効果の意味 [心理・健康]
学術大会の特別講演者でもある、ガボールマテ氏(MD)の著作『身体が「ノー」と言うとき―抑圧された感情の代価(日本教文社)』を入手した。講演内容は躍動感にあふれるとともに、大変中身の濃いものであったが、書籍を読み、改めて驚いたのは、プラセボ効果に関する以下の記述である。
「多くの人はプラシーボ効果を単に想像力がもたらすもの、『心が物質に勝った』例だととらえている。しかし実際には、確かに思考や感情によって誘発されはするものの、プラシーボ効果そのものは、完全に生理的な現象である。症状を軽減したり、治療を促進したりするのは、体内の神経学的および化学的プロセスの活性化なのである(p206)」
その昔、「万物の根源は、物質か精神か」という議論に加わったことがある。プラセボ効果は、前者の唯物論の対極にある観念論的世界観に由来するものと捉えていた。しかし科学の進歩により、目に見えないものが見えるようになり事態は一変する。マーティン・L ロスマンの「イメージの治癒力-自分で治す医学」も生まれた。物質と精神は、光の波動と粒子のように表裏一体の関係にある。
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