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繰り返しと効果的繰り返しの違いについて[追記] [心理・健康]

 学術大会で、「繰り返し」を行う技法をベーシック技法として位置づけ、雲水の間でグループカウンセリングを行い、認知変容の効果が出ていない趣旨の口頭発表を聴いた。ヘルスリスナーの技法を概ね、途中まで、一応の手順を追って進めているが、「繰り返し」と「効果的繰り返し」の意味を誤解され進めていた。「効果的」繰り返しとは、クライエントの声のトーンや語調、スピードを近づけてクライエントの気持が表れたキーワードを繰り返すことを意味し、相手の気持を鏡のように映し出すことで、ミラーリング効果が生まれ、共感が生まれる前提ともなる。発表者の方がこのプロセスを十分に理解されず面接を行われたことが会場の質問から推察された。共感的雰囲気のもとでグループが進んだと表現も付け加えられていたが、「効果的」繰り返しではないと解される中で、共感がいかなる質を備えていたのか疑問も生じる。質が担保されないカウンセリングでは、統計を積み上げても、当初企図する効果は得られない。雲水の発表で、問題提起にも新規性を感じるものであったが、構造化されたカウンセリング法の基本理解が不十分のまま面接を行っても当初企図されたグループカウンセリングの効果を生むことは困難であることは明白である。半ば、傾聴技能の効果に関する言いがかりともとれる内容でもあり、長年の研究と実践の末導き出された構造化された技法に対する信頼が失われぬようにリスナーの基本姿勢と基本技法の再学習が必要であろう。
 [追記 :尚、後に、ご本人の面接の評価を求められる機会があった。面接の中で、『効果的』繰り返しが行われておらず、共感にも全体的にムラがあることが顕著であり、その旨書面にて指導させて戴いた。]
 http://www.29-4153.com/01_kouza/fukushi/keichou.php?crs=01


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