SAT療法(金子書房刊) [心理・健康]
「SAT療法(金子書房)」が発刊された。
取り寄せた書籍の帯には、「日本の…森田療法、内観療法と並ぶ心理療法」と記載されているように、日本で生まれた「心理療法」としてのSAT法が公の書籍に示される時が来た。ここで大切なことは、心理学のみならず、自律神経系や免疫系のストレス反応など、脳科学や生理学的根拠に基づく生化学データが数多く記載されており、今日の根拠に基づく医療という要請に十分に応えた内容となっている。この宗像博士の書籍を通じて、なぜ、SATカウンセリング法・SATイメージ療法により、クライエントの自己成長が生起し、心の健康が取り戻されるのかということが、誰もが納得できる形で明らかになるだろう。第6章 「生き方変容のSAT療法のイメージ変容」には、最新の「進化遡及イメージ法」に関するカウンセリングシートが盛りこまれている。もっとも、実際の臨床への適用には、細心の注意が必要である。SAT療法の6原則の1つである「自己決定」にも示されているが、クライエントが今現在認知しているイメージに寄り添う形で技法の説明を行い同意を得るプロセス(インフォームドコンセント)が必要である。クライエントは、カウンセラーの信頼関係により癒されるという側面もあるからだ。今後、益々、カウンセラーは、クライエントの表情を観察し、キーワード、キーメッセージをとらえ、共感し、確認するというヘルスリスナーの基本姿勢が求められてくるだろう。
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