症状改善を促進するアプローチ選択 [心理]
症状の重篤性から医療機関につないだクライエントの症状が、つないだ後も改善されない場合は時折みられる。しかし、心理面接をと必ず訪れて下さるCLがおられる。そのようなケースは最後まで見守る必要がある。
精神疾患をもつ人を、病院でない所で支援するときにまず読む本 "横綱級"困難ケースにしないための技と型
- 作者: 小瀬古 伸幸
- 出版社/メーカー: 医学書院
- 発売日: 2019/08/26
- メディア: 単行本
面接時のアセスメントの後に、クライエントの症状の重篤性から医療機関につなぐケースがある。それは自身も医療機関での心理士として活動していたからこそ、信頼してつなぐ判断を下すのだと思う。しかしながら他方で、つないだ後、必ずしも症状が安定しないケースが少なからずある。それは、通院の期間や薬物療法が専ら主導であったり、反対に医療機関でも全く薬に頼らないと標榜する所もあり、症状の改善という形で、ピンポイントに患者であるクライエントのニーズにこたえているとは必ずしも言えないケースが少なからずある。かつては、臨床心理技法を縦横無尽に展開する試みを行うことで、解決の促進に導くケースが数多くあった。しかし、治療機関ではない機関でどこまでそれが許されるかということを念頭に置きながらも、医療機関につなぐ機会が増えてきた。しかしながら、当初の期待のもとにつないだとしても早期の改善に至らないケースもあり、そのような方に対して、どのようにサポートすることが望ましいか振り返ることが時折あった。そんな時、自分の訪問日には、必ず来て下さるCLに対して、自らの臨床心理技法の一端を開示し、改善の促進に寄与することがあるべき姿ではないかと考えるようになった。現に、CLの言から少しづつではあるが、自己成長を遂げているという発言を聞くことができると、さらに無理のない形で促進する支援を行えたらと思う。時の流れの中で、CLが適応を改善していることを実感すると、対応の方針に誤りはなかったことを確信する時が訪れる。当初の医療機関や相談機関へのリファーもCL本人があるべき姿に気づく大切なステップだったケースもあると今再び顧みる。
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