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胎生期イメージ変容・臨床心理支援 [心理]

精神科医が主催する研修の中で、脳神経回路を通じて、母親の喜びはもとより、不安や怒り、葛藤が胎生期、新生児のイメージに顕著に影響を与える旨の説明があり胎生期のイメージ変容が今だ臨床の重要な問題となっていることを振り返った。15年以上前に自身が脳波測定器を用いて大学院で研究をしていたイメージ療法の理論的根拠を振り返る形となった。

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歴史は繰り返される。しかし率直な感想は自身が研究していた当時は今だ、胎生期のイメージに関して科学的な論拠が収拾される初期の頃だった。それゆえ自身の研究と研究実践が果たして医療や教育、産業・心理臨床の中で、何処まで浸透してくるのだろうと考えたものだった。ましてや医療の中で胎生期のイメージに関するテーマが取り上げられ、心理臨床に役立っていることを踏まえると、胎生期のイメージの変容に関する技法について安全で安心な心理支援技法が構造化される必要がある。既に15年以上前に開発された技法があるが、現実に精神科医療の中で主治医の了解も得ながら活用できる時代に入ってきたか、浸透度としては今だ途上の感がある。

 しかしながら新生児や幼児期、学童期はもとより、胎生期においてもヒトの脳神経回路を通じてネガティブなイメージが形成され、後々の人生脚本に影響を与えると考えるのが事実だとすると、ネガティブな胎生期イメージを扱う心理臨床の技法があるのが必然であると考えるのが自然である。

 幼児期や学童期、思春期の心理臨床では、ゲシュタルト療法の諸技法と連動させ、身体感覚を大切にしながら再決断療法による幼少期に形成された人生脚本について再決断がしばし効力を発揮する。そのためには、面接場面を構造化することは必要である。特に胎生期イメージについては、再決断療法は適用外にあると考えられる。何故なら胎生期や新生児期は、専ら母体の影響を受け神経回路が形成されていくことから、胎児や新生児の判断過程を介することはほぼないと捉えるのが自然である。そこで、胎生期・新生児期のイメージ療法は、再決断療法とは異なる角度から再構成されるものと解されるが、母親の心理をはじめ母体の影響を受けることを踏まえると、母親の心理に寄り添い母性と一体化したと捉えられる胎生期そして新生児のクライエントとして母親を相手方として、ゲシュタルト療法に移行する方法もあるはずである。その時は、母親が出生を心から望んでいたイメージが保持されていることが前提で、母子一体化する強固の信頼関係が根底にある必要がある。

 クライエントの主訴を根元から解決に導くためには、胎生期まで遡る必要があることを過日の精神科医の研修で改めて感じた。

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