集団心理教育の力 [心理]
学級の仲間づくりに活かせるグループカウンセリング: 対人関係ゲーム集
- 出版社/メーカー: 金子書房
- 発売日: 2015/02/23
- メディア: 単行本
傾聴の心理学: PCAをまなぶ:カウンセリング/フォーカシング/エンカウンター・グループ
- 出版社/メーカー: 創元社
- 発売日: 2017/09/20
- メディア: 単行本
グループの中に癒しと成長の場をつくる 葛藤を抱える青少年のためのアドベンチャーベースドカウンセリング
- 出版社/メーカー: みくに出版
- 発売日: 2017/07/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
恒例の訪問先で行う集団心理教育を行う機会があった。個別の心理カウンセリングを行うことで、クライエントの悩みの改善や自己成長に寄与することができるが、根元の認知の歪みがある場合には、介入の限界がある。そこで、集団心理教育を通じて、介入することで、複数のクライエントの認知の歪みを変容する契機が生まれる。一つの集団が50人いれば、50人がそれぞれの認知の枠を持っている。そして、それぞれの認知の枠に歪みがあるとするならば、皆一定のレベルに認知の枠組みを構成できるよう支援する必要がある。先ず講義の目的を示しながら、ホワイトボードにキーワードを貼付し、キーセンテンスをつくりながら、新たな概念を築き上げて提示していく。集団のクライエントが分かりやすい表現で、心の起源を解きながら、脳科学的な根拠の下に簡潔にストーリーを展開していく。そして適宜ロールプレイを通じて、集団のクライエントの日常生活に近いレベルまで理解を導いていく。一人ひとりの表情を確認しながら理解度を確認し次のステップの理解に導いていく。集団心理教育を行うと不思議と、当該訪問先のクライエントも増えてくる。心理士(師)の存在が周知され、いつの間にか予約時間が重なってくる。訪問先における心理士(師)の認知度を高める営みは、集団心理教育を行う課程で実践することができるが、クライエントの心の健康と成長を促進する上で大変有効であることを振り返った。
講義案に沿って行うが、何度行っても解説のプロセスが異なる。それは訪問先のグループによっても異なることに気づく。心理士(師)と訪問先の集団クライエントとの双方向的な関係が形成されてくる。まさに心理的なグループダイナミクスの中で形成される心理士(師)にとって何にも替えがたい大切な心理教育の場面である。
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