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心理臨床の原点に遡る [心理]

河合隼雄連続講演 こころを処方するユングの心理学 CD版 全6巻 (<CD>)

河合隼雄連続講演 こころを処方するユングの心理学 CD版 全6巻 (<CD>)

  • 作者: 河合 隼雄
  • 出版社/メーカー: アートデイズ
  • 発売日: 2018/12/05
  • メディア: CD-ROM
こころの最終講義 (新潮文庫)

こころの最終講義 (新潮文庫)

  • 作者: 河合 隼雄
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/05/27
  • メディア: 文庫
魂にメスはいらない ユング心理学講義 (講談社+α文庫)

魂にメスはいらない ユング心理学講義 (講談社+α文庫)

  • 作者: 河合 隼雄
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1993/09/07
  • メディア: 文庫
今から1月前位、神保町の古書店を歩いた時、一冊の著作集と出会った。
河合隼雄先生の著作集3 心理療法が、古書市の棚に置かれていたのですぐ購入した。思えば、心理士の試験勉強を始めた頃、児童書を語るという企画で有楽町のフォーラムにお見えになられた時、家族で聴講にうかがった時のことを想起する。当時先生は、満面の笑顔で、5冊位の絵本を手にとられ、挿絵を示されながら、絵本の魅力を存分に語っておられた。満面の笑顔につい引き込まれた大切な瞬間を想起する。

 最近特に感じることは、臨床心理学の先駆者の心を忘れていないかということである。子供達と心理臨床の場で向き合っていると不思議な体験に出会うことがある。そして、支援を訴える子供達が変容から解決の瞬間が訪れる時、認知行動変容だけでは、説明がしにくい体験をすることがあった。残念ながら試験には出にくい領域だが、人間の心の真実のプロセスにアクセスする大切な扉を開く鍵がここには示されている。心理臨床の合間に、原点に立ち返る瞬間が珠玉の時間であると感じる。 あと何年、心理臨床の場と向き合えるのだろう。偉大すぎる先人の声に自分の心の目と耳を傾けながら、心理臨床を取り巻く諸理論を統合理解していくプロセスが何よりもかけがえのない時間となっている。

河合隼雄著作集〈3〉心理療法

河合隼雄著作集〈3〉心理療法

  • 作者: 河合 隼雄
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1994/09
  • メディア: 単行本
【追記】
 これまでのCP資格に加え、心理師資格も加わり、心理臨床の新たな時代がはじまった。相談室で働く者、特別支援教育に携わる者も含め、心理に関する対応について相談する立場にいる方は、実際の心理臨床経験に含めて、公的資格を取得することが求められてくる。特に会議の席で、教職員が有資格者の意見を聴く際には、あらゆる場面を想定した発言の機会を設け、傾聴することが必要となる。
 CLの問題を生み出したのは、今の状況を放置していたことに起因する場合がある。特に教育の場に携わる者は、CL自身に加え、CLの保護者を自ら指導経験がある指導者もおられる。そのような場合では、かつて自身が教えた子供を指導する際、日常生活行動を含む人格形成に関与した責任が今になって求められることもある。仮に日常家事動作も難しい子供が目の前にいる場合、そもそもその要因を作り出した場合もある。CLの保護者が自分の教え子であれば、教育者が招いた対応について、責任を追うことが求められる。今になって周囲に責任を委ねたりする行為は、無責任と評価されても仕方がない。
 有資格者は、面接の構造化が保たれている限り、目の前のCLの自己成長に関与する立場にもある。しかしながらCLの自己成長という観点がなく、有資格者の不在時、CLに不適切に介入し、過度な依存を助長する等の話は、いまだ後を絶たない。有資格者による心理面接の構造化を妨げた結果、CLの予後が悪くなってしまう事例も少なからずある。相談員の立場、特別支援教育の立場にいる方も含め、なぜ有資格者の助言に耳を傾けず、独断で動いたことで、CLの予後を悪くしたか自らを振り返る必要がある。日常家事動作も含め自ら教育者として招いた結果は、人格形成に関与した責任を自ら負担する必要がある。その責任を担保するためには、現任者として資格を取得する努力をする必要がある。特に特別支援教育に携わる者は、有資格者に耳を傾けずCLの健全な特性から目を背け、全て「障害」とみなす傾向がある。   
 主治医の診断書や意見書には、CLと対話した形跡がないにも関わらずDrとの会話のニュアンスを引き出しCLを「障害」とみなし他の教職員に伝播する人もいる場合、CLの予後にも多大な影響を与える。行動を見ると自閉症であることは明らかと根拠の希薄な発言を繰り返し、会議の空間で伏目がちに自分の見立と対応を自信なく説明する公的資格を持たない支援教諭や常日頃から周囲の前で管理職に不平不満を吐露する若年養護教諭は論外であるが、有資格者の助言指導に耳を傾ける姿勢がないのであれば、公的資格を取得する努力をする過程で速やかに態度を改める必要がある。相談員の経験や教職経験だけでは、Counselingや心理教育に関する内容を語ることが難しい時代になってきた現実に向き合うことが求められる。

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