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恩師への手紙 [心理・健康]

年末を前に恩師の御一人が逝去された通知を受け取った。

ヘルスカウンセリング事典

ヘルスカウンセリング事典

  • 作者: ヘルスカウンセリング学会
  • 出版社/メーカー: 日総研出版
  • 発売日: 1999/09
  • メディア: 単行本
今から25年以上前になるだろう。より効果的なCounseling技法を探し求めてある所にたどり着いた。そして、某所で初めての個人研修を受けた。その時、少しでも技法を学ぼうと、Counselorの了解を取り、自身がクライエントとして、面接場面を記録に採った。時折その記録を聴き返すが、今でも終了時の目の前の風景が蘇ってくる。何だろう。午前中から少し酩酊に近似した状態を感じながら、心地よく聖路加界隈を歩いて帰った。過去の心象風景を想起しロールプレイで幼少期の過去の自分と向き合う場面を想起しながら、自分にとって重要他者との和解の第一歩を歩みはじめた。

 その時の音声を年に数回聴き直すことがあるが、初めての構造化Counseling技法を体験した感動は今でも忘れない。私には、Counselingの世界での幾人もの恩師がおられるが、その方もその御一人だった。いつものようにスクールでの臨床を終えた後、帰ってくると、一枚のはがきがテーブルの上に置かれていた。いつもは、笑顔で海外渡航された時の家族写真を近況を添えて何十年も賀状を送ってくださっていたが、今回は、グレーカラーのお名前だけが記されたご家族からの葉書だった。

 その後、医療の場面やスクールの場面に加え学生相談の場面で構造化Counseling法の基本形を効果的に活用させていただいてきた。しかし医師や相談機関との連携が叫ばれる中、元型を活用できる場面は少なくなった。しかし、心理面接の佳境場面では、必ず基本姿勢と基本技法の片鱗が見え隠れして不思議と解決に導かれる。そして、初めて構造化されたCounselingを受けた時のあの感動は、今でも心の中に覚えている。そしてこれからどんな新しい技法に出会おうとも、あの時の技法の鋭さを超えるものはないと確信している。もっとも、何度も自分と向き合った自己成長の過程で解決すべき課題が絞られてきたのだとも振り返る。

 どうぞ安らかに、天国でも意気揚々と笑顔でご活躍をお祈りしています。そして先生からご教示を受けた貴重な体験を誇りに、感謝の気持ちを胸に微力ながら日々の臨床と向き合ってまいります。

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