聴覚でとらえた音による癒し効果 [心理]
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: デラ
- 発売日: 2003/11/25
- メディア: CD
http://www.phileweb.com/review/article/201509/15/1778.html
ストレスチェックのシステムが構築されていることはもとより、ストレス認知を誘引とする疾患の一次予防として、いかに日々蓄積するストレスを軽減するかという課題が大切になってきている。3Ð技術が進化し、液晶画面の中で、現実世界を映し出す様々な映像が展開されている。学校教育や家庭教育の中で、子供も大人も、大画面TVに加え、スマートフォンやパソコン画面が映し出す画像に昼夜釘付けになり、視覚を通した情報の過度な入力に際し、精神疲労が増加している。肩こりや背中痛ばかりでなく、スマホの利用で姿勢が前かがみになるため、呼吸が浅くなり、不安特性が嵩じる等、交感神経にスイッチが入り続ける生活が続いている。
精神疲労が蓄積し、大人のみならず、睡眠をとっても、中々疲労がとれないことを自覚する子供も数多く増加している。特に夜間のスマホ利用によって、意識が過剰興奮し覚醒してしまい、入眠困難になるばかりではなく、睡眠覚醒のサイクルが変わってきてしまうケースも増えている。何となくだるさを抱え乍ら仕事や家事に従事することはないだろうか。いつの間にか目が覚めると深夜であることがある。そのような中で、その昔から、日々のストレス認知をいかに毎日の生活の中で低減していくかに関心を持って日々実践してきた。その昔、自律訓練法と催眠の専門家から研修を受けた。他者催眠から自己催眠に移行するプロセスを学んだ。徐々にカセットテープを聴きながら、いつの間にか深い睡眠に移行する習慣を修得することができた。勿論、仕事で子供や大人のクライエントが気になり眠りにつきにくい時があるが、それでも、漸進的弛緩法や数種の呼吸法を組み合わせることで、自らをリラグゼーションに導いているほか、最近では、マインドフルネス瞑想の音声をiPodに入れていつでも聴くことができる状況に導きながら副交感神経のスイッチを入れるようチェンジしている。
意外にも、聴覚でとらえた音声が癒しの効果をもたらしていることに改めて気付いた。人によっては、自分の好きなミュージシャンの音声をダウンロードして寝床で聴けば、癒しがもたらされるし、最近、テレビ番組で、素人の歌番組でカラオケマシンで歌う歌声で、目をつぶり涙を流す光景も時折拝見している。あれは、間違いなく、聴覚でとらえた音声により、癒しがもたらされているのだと思うのである。
人間の心に癒しをもたらす音声は、ゆらぎをもっていて、時にf分の1のゆらぎと表現されている。そのゆらぎを再現する音のシステムが進化してきた。所謂ハイレゾと言われるハイレゾリューション音源である。家電量販店に行くと、様々なハイレゾの音源が並んでいて聞いてみると、これまでのCD音源と比べて、音域が広い感覚がある。そこで、一番入手しやすい価格帯のものを入手し、家族のものと聞いてみたところ、音域が広がり、例えると、手の平やつま先から音の粒子があたかもシャワーを浴びるように体感される印象がある。言わば、音による癒しの効果を全身で体感することができ、自律神経が副交感神経優位に移行していく中で、ストレス認知を低減する効果が得られる。その昔、大学生協で、入手したYAMAHAのスピーカーが自宅研究室では、今だ健在であるし、サラウンドプロセッサーを電気街の問屋から入手したこともあったが活用しきれていないことに気付いた。最近では、リユースの店からスピーカーを複数入手し1メートル90円のスピーカーコードも電気街で入手し、研究室を取り巻く音の環境を再構築し、音の広がりを保たせることができるように工夫している。
http://www.phileweb.com/review/article/201509/15/1778.html
本つぶやきノートの別項で睡眠がもたらす癒しの効果についてふれた項目があるが、鍵は、睡眠の質を高めていくことである。即ち、覚醒した意識状態からいかに、なだらかな睡眠状態に導いていくかが重要であり、脳波がβ波からα波に、Θ波からδ波優位に導いていくかということが睡眠による癒しが齎される重要なステップになっていることを体感してきた。それは、カウンセリングのプロセスの中でも応用することができる。カウンセリングの共感のプロセスにおいて、クライエントが癒しを感じる前に、カウンセラーの心が弛緩集中するためにイメージを切り替えていく必要があるが、そのプロセスの中で、変性意識状態にスイッチが切り替わる必要がある。その中で、聴覚による音の認知が、その揺らぎ効果と相まって変性意識に無意識の中でチェンジする瞬間が訪れることを体感している。
ショパンコンクールの項で紹介した優勝者の音源に加え、辻井伸行氏の演奏を聴くと、水の流れや自然の音を時に力強く、時に優しく心に伝わる中で、無意識の中に宿る未解決の感情が活性化され、イメージや夢の中で、未解決の感情を遂げる体験をする中で、心の癒しがもたらされている。それに加え、先に述べたハイレゾ音源対応のシステムと組み合わせると、全身で癒しをもたらす音源を体感することができる。それをいかに構造化するか、心の癒しがもたらされる中で精神疲労が飛躍的に回復する時間が短縮されてくると、翌日、クライエントと向き合うカウンセリングの質に著しく影響を与えてくる。リラグゼーション弛緩法や呼吸法と組み合わせる中で、子供にも大人にも心理教育を行う方法も検討する今日この頃である。
http://satheal.blog.so-net.ne.jp/2015-12-14
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