最高法規―憲法改正と法的安定性の議論 [学習]
臨床研究の合間に、開いた参議院のネット中継は、当初、アクセスが集中し混雑していたが、Windows10を立ち上げると、ようやくつながった。参議院の「法的安定性」に関する安保法制に関する首相補佐官への質問を傾聴した。
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6169332
まんがで語りつぐ広島の復興: 原爆の悲劇を乗り越えた人びと (小学館クリエイティブ単行本)
- 作者: 手塚プロダクション
- 出版社/メーカー: 小学館クリエイティブ
- 発売日: 2015/07/10
- メディア: コミック
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php
http://www.asahi.com/articles/ASH7V5T5MH7VULFA004.html
http://mainichi.jp/select/news/20150805k0000e010230000c.html
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6169884
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20150819-00000558-fnn-pol
安保法制に関する現内閣総理補佐官が、「国民に憲法改正手続を味わせるのが良い」と、とある機会に発言していたことが述べられていた。補佐官は、内閣総理大臣に安保法制について助言を与える立場である趣旨が述べられていた。「法的安定性は関係ない」という発言は、論外であるが、それに対して、15分の質疑の中で、謝罪したとしても、「そんなこと」というご地元での言葉に顕著に現れる基本的考え方(ビリーフ)がイラショナル(非合理信念)であることを今更根本からなかったことにすることは難しいと思う。
http://www.news24.jp/articles/2015/08/03/04305977.html
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20150730-00000047-jnn-pol
個人的立場に基づく考えであったとしても、立憲主義の見地からは、先のような形で法制に関して、総理大臣に助言することは、まずあり得ない。憲法尊重擁護義務を否定する公務員およびその発言は、憲法の理念に照らし、存在を許されず、実体がないものと考えなければならないことは既述の通りである。
そして、憲法改正手続に関する上記見解がある場合、もしそうだとしても、「首相補佐官」の御主張を(仮に)前提とするならば、憲法99条に定められた憲法改正手続を経る中で、国民の真意を問う試みをすることが筋であり、安保情勢を取り巻く変化が大きいからと言って、改憲手続を経ず、立憲主義に反する解釈改憲という「脱法行為」によって、安保法制の改定を行うことは、著しい論理矛盾である。先ず、どれだけの国民がこの度の安保法制の改定に反対しているか、現実を省みれば明白である。いかに存立危機事態に関する新3要件を加えて法制化を試みても、未来永劫、歴代内閣により、柔軟に解釈をされて憲法改正手続を経ずに実質的に憲法を改定することにつながる恐れがあることは明白である。
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6169332
その後の議員との質疑における答弁で、防衛庁長官は、「あらゆる場面を想定」し、と答弁されていたが、過日の原子力発電所が被弾した時は「あらゆる場面」には含まれないのだろうか。過日山本議員の質問後、あらゆる場面を想定する努力を行っているか、基本姿勢すら明確でなかった。「あらゆる場面」と表現することで、言葉の上で、安心させようとする行為は、震災前の原発を設けた時と同様の論理でないかと思えてならない。
http://www.asahi.com/articles/ASH7V5T5MH7VULFA004.html
法令解釈は、法的安定性と具体的妥当性の相対立する要請を念頭に起き斟酌されるべきものである。特に、憲法解釈に置いては、前者、法的安定性が絶対的に重視されることが必須である。 この矛盾のうちに存在する「対立物の統一」という弁証法的視点すら欠落されている。もっともその観点からしても、憲法の最高法規性を骨抜きにすることは、断じてできないことが憲法に規定されている(憲法97条・98条・99条参照)。
http://www.houko.com/00/01/S21/000.HTM#s10
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150805-00000029-dal-ent
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/21c_koso/pdf/report.pdf
http://mainichi.jp/select/news/20150805k0000e010230000c.html
後日、現在、改定を企てている法案への質問の際、防衛大臣や首相の答弁で、大量破壊兵器や核ミサイルも、法文上は、明記されていないという建前の下で、120%ありえないと答えた。法文上は、明記する形で歯止めをかけることに対して、国是であることを理由に否定するが、先ず肝心なことは、このたびの衆議院での安保法案決議で、民主主義の原則に背き、強行採決を行った点、政府の行いに対して、各政党、国民の信頼が失墜していることである。そのことで、非核三原則が国是であるということを建前に、時の政府が踏み越えないという保証はどこにも存在しないということである。仮に、時機を踏まえ、憲法にも合致した手続及び内容の法案であるならば、強行採決などせずに、堂々と他の政党と話し合い、国民の意を問う営みに出てしかるべきである。
非核三原則が国是であるという理由であったり、大量破壊兵器が国際法上違法だから行うわけがないという論理は筋が通らないことは明白である。法治国家である限り、法律による行政、その以前に憲法による法の支配を徹底するという見地の中で、厳格な手続要件を加えることで、この度のような時の政府の恣意的な判断に対して、ようやく歯止めがかかるのである。ヒロシマでの首相挨拶で非核三原則に関する事項を抜いたことに、他政党が厳しく詰め寄ったのも、国是というだけでは、安心はできないという見解のもとにあると思う。大量破壊兵器や核ミサイルが、決して運ばれていないことをいちいち危急時に、誰がチェックして、国民に報告するのか。それも担保されていない。安保法案の対案は、廃案しかないという他政党の答弁は、日本国憲法に基づく法の支配、立憲主義の観点からは、当然の帰結ではないかと考えざるを得ない。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150805-00000029-dal-ent
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6169884
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-08-08/2015080802_02_1.html
コメント 0