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内観法の臨床的適応 [心理]

内観療法入門―日本的自己探求の世界

 

 

 

内観療法入門―日本的自己探求の世界

  • 作者: 三木 善彦
  • 出版社/メーカー: 創元社
  • 発売日: 1976/01/20
  • メディア: 単行本

成人期の心理面接で、内観法を用い、顕著な改善をみた。

内観法内観法

  • 作者: 吉本 伊信
  • 出版社/メーカー: 春秋社
  • 発売日: 2007/11
  • メディア: 単行本
 
 

日本で生まれた伝統的な心理療法と言えば、森田療法と内観法であるが、過日、大人の心理面接で、内観法を応用して行う機会があった。発達障害の特性を有するクライエントには、通常の方法では、心が動きにくいケースが多く、反対にそのこだわりを長所に変える方法はないかと常日頃から考えていた所、セッションの中盤でその機会は訪れた。先ず、①重要他者から、御世話になったことを聴いた。すると当初は、障害特性から想起困難であったCLの心が動き、情動発火させ語りだした。流れの中で、②重要他者にして返したことを聴いた。すると、何もすることができなかったとの返答が返ってきた。③さらに、迷惑をかけたことを聴いた所、①の経験と連動した記憶として想起された。その後、具体的な行動としてどうすべきかという決定に導くことができた。[次回面接時にどのような経緯をたどったか確認した、岩のように動かなかった心が行動変容を伴う形で確かに動いた]。内観法の根底には、罪悪感にどう向き合うかという哲学があると言われている。それは、自己否定に向かうのではなく、自己肯定しながら、自己成長に向かう、健康な罪悪感である。裏を返せば、自己嫌悪や自分への怒りであり、何れも自己成長に導くものである。次の問題は、自己成長に導く方向であったとしても、実際に行動変容に繋がる心のエネルギーを持っているかということである。これまで内観法は、身調べの法として伝統的な形で引き継がれてきたが、現実の臨床場面で適用するためには、過去の自分と向き合う状態にあるかという意味において自我状態の把握と、心のエネルギーレベルに関するアセスメントが必要になってくる。特にこだわりの強いクライエントに対しては、そのこだわりを長所に生かす工夫と配慮が必要になってくる。年末年始は、渦中のクライエントに限らず、自分を振り返る良い機会でもある。

 内観法-心理士(師)が見調べ、自らを振り返る:岡ちゃんの心のつぶやきノート:SSブログ (ss-blog.jp)


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