SSブログ

傾聴技能士の精神 [心理]

Drによる研修を受ける機会があった。真心を込めという下りがあった。それを省みた時、傾聴技能の「資格」に値するには、技術を超え、御一人御ひとりの話し手(CL)に真心で対応することかもしれない。

新・心理診断法―ロールシャッハ・テストの解説と研究

新・心理診断法―ロールシャッハ・テストの解説と研究

  • 作者: 片口 安史
  • 出版社/メーカー: 金子書房
  • 発売日: 1987/06
  • メディア: 単行本

ここの所、C/Gやアセスメントの基本を省みる臨床研修に参加する時間を費やしてきた。何れも30年以上のベテランのDrが講師である。それを省みて、傾聴技能士の審査を立て続けに行った。気になるのは、技能認定から、資格制度に変わると、目先の資格取得のため、安易な技法を展開をしているケースが目立つ。安易な資格の乱発は、質の低下を招くというご指摘を受けたベテランの声を省みた。なるほど、傾聴の精神=魂(スピリット)が薄れた技法を展開しているように思う側面もある。確かに、構造化された技法の深化が進み、習熟すれば、CLの症状が改善するケースが増えることはあるだろう。他方で、技法の展開に慣れてくれば、CLの心理特性をとらえるアセスメントの慎重さを欠き、安易な技法展開を進めてくる。魂を込めた傾聴は、CLにとって重いと捉える説があるが、他方で、技法を連続性を保たせる配慮がなく、安易に変更しケースや技量、リスクアセスメントを踏まえずに一律に技法を提示する姿勢は、C/Gが人間の心に寄り添う技術であるだけに安易で危険を伴う。当初、教科書を書いた時は、技法展開は、今一つ習熟要の事情があるものが多かったが、お一人お一人、魂を込めて、傾聴技能が展開されている様子がうかがえた。技法が深化した今日、誰もが容易に修得する機会が増えてきた反面、魂=スピリットを欠いた、観察、傾聴、確認、共感の基本姿勢に基づかない技法展開が時折目立つようになった。しかし、審査者の耳は誤魔化せず、目の前に話し手(CL)の気持ちの流れに巻き込まれず、共感とする情動調律が傾聴過程に込められているかがわかる。技能審査から資格認定となる場合、「真心を込めて」聴く、過日のDrの見識を踏まえると、スピリットを技能審査から捨て去るべきではないと改めて確信した。傾聴の魂は、波動となってCLに伝わる。長年、いやというほど体験してきた真実である。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

Facebook コメント

トラックバック 0