尾崎豊
4月25日は尾崎豊の命日。過日、久しぶりに彼の映像を見る機会があった。「十七歳の地図」、「卒業」、「I love You」、「僕が僕であるために」…。どれを聴いても、渾身の思いで魂を込めうたうエネルギーが溢れ、全身で魂の底に訴えかける歌声に、当時のコンサートを想起し、身震いがした。尾崎がデビューしたのは、1984年。もう23年になる。尾崎を知らない今の子どもたちは、もしかしたら、あの歌声は少し重く感じるかもしれない。ただ、時代を超えて訴えつづけるものがある。尾崎の歌声は、明瞭で太い輪郭に厚みと深いぬくもりを感じさせる。「僕が僕であるために、勝ち続けなきゃならない。正しいものは何なのか…それがわかるその日まで」。フレーズを口ずさみ、目を閉じると、当時、学生だった自分、共にいかに生きるべきか語りあった友人達を想起し、何故か涙が溢れてくる。ベルリンの壁が崩壊し、何時しか歳月が過ぎ、「もう勝ちつづけなくても良いんだ」と思うようになった。そう思うと、とても心が軽くなった。今思えば、当たり前のことが当時は分からなかった。彼の魂が天に召されて15年。時代を駆け抜け、流星のようにこの世から去っていったあのカリスマはもう現れないのだろうか。再来を願いつつ。
2007-04-29 07:34
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