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トラウマへの対処法 [心理]

トラウマへの対処―トラウマを受けた人の自己理解のための手引き

トラウマへの対処―トラウマを受けた人の自己理解のための手引き

  • 作者: ジョン・G. アレン
  • 出版社/メーカー: 誠信書房
  • 発売日: 2005/03
  • メディア: 単行本

 最近の心理面接で改めて痛感することは、クライエントが抱える慢性化した不安症状や抑うつ症状の背景には、初期の心傷体験があり、症状が顕在化される中で、その心の傷への対応が難しかった背景があると推察されることだ。学童期、思春期の場合、母(父)親との間で、助けて欲しい時に助けてもらえなかった体験や、母(父)親ご自身の気質から引継いだ特性が傷つきを増幅してしまう。初期の介入者が、その対応を誤ると、慢性的な症状に変わり、いずれはクライエント本人や家族の無力感に陥る恐れがある。特に抑うつ症状がパーソナリティ特性から生じている場合に、その特性の変化への介入を行わず、単に「コンサルテーション」に留めているケースもあり、抑うつ症状が本質的には変わりにくい対応がみられることがある。そこにおいて、投薬での対応は、一時的な効果をもたらすものの特性不安の改善などはもたらされることは難しい。それに加え、母(父)親の状況依存性が子どもの成長を妨げていることがある。結論的には、初期における心傷記憶の対処がいかに重要かということであるが、慢性化された抑うつ症状には、思いきった面接場面の構造化が必要になる。「コンサルテーション」だけでは、変わり得ないことは、医療をはじめとした支援者は、気づくことが必要になるだろう。初期介入が難しかった介入者の不全感を他者の責任に転化しても本質的な解決には至りにくいと端的に思うのである。


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