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情緒障害児童への祈り [心理]

 SC最終訪問日の相談室で情緒障害児童と別れる時を迎えた。6箇月前は、児童自ら自己否定感を感じると、自傷行為を反復し倒れこむ間を垣間見て気持を傾聴する試みから始まった。
 構造化された傾聴技法を組み合わせる中で、遊戯療法や絵画療法をとり入れ、相談室でのとある学習への動機づけに結びつける日々が続いた。当初は、トラウマがらみでとある反応が始まると、中々方向を切りかえることが困難な状態が続いていた。背後には、家族、特に親の児童に対する期待を高める傾向がある事実を捉えた後、担任との連携で、母親へのコンサルテーションを強化し、医師からの母親へのガイダンスを介することで、投薬をせずにすんでいる。そして、児童の情緒の波は、顕著に改善傾向にあり、自傷反応の原因となる自己否定感を感じた瞬間も、早い段階で、気分を切替えるセルフコントロールができている様子を伺った。
 お別れの日、児童は、Coの対応は『心がこもっていて気持がすっきりした』と言って下さり、『これからもずっと、一緒に歩いて下さい』と最後の掃除を手伝ってくれた。思うに、その児童に対する周囲の暖かな目を担任から、親や学校全体に広げる中で、大きな情緒的支援の輪を構築していけたことが児童の改善を促進させたと確信する。展開を促進させたのが『効果的繰りかえし』と共感姿勢を旨とする構造化された傾聴技法であるが、トラウマ記憶を捉えて当該児童のために改良を加えた遊戯や絵画療法の効果もあったと省みる。概ね半年間だったが、週に1度共に歩いた児童と握手して別れた。日々成長を続けている児童と、心を削りきめ細やかな配慮を続けてこられた教諭の幸福を祈る。
 


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