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旧き時代を振り返る瞬間 [学び]

晴れた休日、懐かしい古書店がある通りを歩いた。

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晴れた祝日、これまで歩いた心理臨床の道のりを振り返ろうとかつて学生相談で通っていた大学に向けて歩き出した。途中、道の左側に懐かしい古書店があった。そこは今でも学生運動の方々がテキストとしていた文献が所狭しと並べられていて、懐かしいですねと古書店主に声をかけると、今は、珍しいと言われると答えた。目についたのは、フロイド選集が並ぶ棚で良心的な値段ゆえ購入した。「精神分析療法」と「自らを語る」の二冊。特に「精神分析療法」は、小此木啓吾先生の翻訳である。自身が技法の主軸に据えてきた構造化連想法は、精神分析の自由連想法が起源にある。基本に戻るためには、フロイドの文献やユングの「連想実験」などの文献を振り返ることに意義があると捉えている。勿論、近年は、エビデンスが根底に求められるため、構造化連想法に加え、認知行動療法と来談者中心療法を軸とする傾聴法や共感法を基本に据え、東洋の呼吸法やマインドフルネス療法、漸進的弛緩法等をCLのニードに応じて、有機的に連動させるよう努めている。しかしCLの心の根元には、必ず葛藤があり、相対する欲求が異なる方向から生まれ衝突している。心理葛藤の構造理解には、上記文献が重要な役割を担うと理解している。

 想えば、その昔、昼食を終え一人キャンパスを歩いていた時、大学院時代にお世話になった脳波研究の第一人者であられるN先生が偶然「君は今ここに?」と声をかけて下さった。その時、守護神に見守られている思いがした。あれから10年経過した。学生の抱く心の葛藤と日々真剣に向き合っていた頃、自分の青年期の記憶と同期させ共感のレベルを最大限に発揮しながら、青年期に生きる学生の気持ちに共感しようと日々の心理臨床と向き合った。キャンパスを見渡すと当時の想い出が鮮やかによみがえってきた。学生臨床の休憩時間に、第2回WBC決勝で、イチロー選手が2点タイムリーを打った瞬間を知り、同室の心理士の方々と歓喜した。優勝の立役者は、過日、引退を表明された。

 帰り道で他の古書店に寄り、岩波文庫版の「君たちはどう生きるか」を購入した。新刊書店に寄り、復刻されたアイビイの「発達心理療法」を入手した。今は亡きマイクロ技法研究会の先生から、面接の構造化について研究する契機となった。これまで様々な方の御蔭で各世代の心の成長支援のために向き合うことができた。引続き自宅研究室から30分程度のアクセスの良い勤務可能地域で、学童期から思春期、思春期から青年期、成人期から老年期の心理臨床経験を一本の糸で紡いでいく方法を見出そうと改めて思った。



 

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