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ひとり親家庭をとりまく心理 [心理]

ひとり親家庭には、様々な背景がある。一つ一つの要因をたどると言葉に言い尽くせない背景にたどりつく。しかし、子供の心への影響は大きい。自律した精神を堅持する家庭では、一人親であっても、その自律した精神を子供が引き継いでいる。

共依存 苦しいけれど、離れられない (朝日文庫)

共依存 苦しいけれど、離れられない (朝日文庫)

  • 作者: 信田さよ子
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2012/05/08
  • メディア: 文庫
共依存の倫理―必要とされることを渇望する人びと―

共依存の倫理―必要とされることを渇望する人びと―

  • 作者: 小西 真理子
  • 出版社/メーカー: 晃洋書房
  • 発売日: 2017/09/30
  • メディア: 単行本
共依存かもしれない―他人やモノで自分を満たそうとする人たち (10代のセルフケア)

共依存かもしれない―他人やモノで自分を満たそうとする人たち (10代のセルフケア)

  • 作者: ケイ・マリー ポーターフィールド
  • 出版社/メーカー: 大月書店
  • 発売日: 2006/04
  • メディア: 単行本
自律した精神を抱かず、過度に依存的な保護者もおられる。反面教師としてとらえ、自ずと自律心が育つ子供もおられる。それは、一人親でなくとも同様である。他方で、保護者が生育歴の中で、自律心が育たず、時に依存心が世代間伝達している場合もある。その時は、別稿で触れたように、依存心が子供にも伝達する。特に注意すべきは、過度に依存的な保護者を、守ろうとする子供とその子供に頼ろうとする依存心が増長して、共依存関係が形成されているケースである。その場合、子供との関係に関して、母子(父子)分離ができていないことが多く、一人親である孤独感にも拍車をかけながら、朝普通に登校しようとする子供を引き留めてしまう依存心にかられる。加えて、当初、登校支援が順調に成功したとしても、就寝時、子供の就寝を事実上妨げたり、起床時、正常な登校が可能であるにも関わらず、母子(父子)分離不安があるため、子供の正常な登校を引き留める衝動に駆られる。そこで、年齢相応の正常な生活行動を妨げる言語・非言語のメッセージを発信し続けることになる。すると子供の生活は乱れてきたり、自分を常に必要とする父母のために、分離を妨げる心理的な共依存を体現する行動を続けることになる。

 不登校やひきこもりの行動の背後には、上記の背景があるケースが多い。最近、虐待のケースが増えており、安否確認も含め僅々のテーマとなるが、それとは異なる共依存の心理を生み出す構造にいかに介入し自律的精神に基づく生活に導いていくか虐待事例とは異なる意味での重要なケースと捉える今日この頃である。

 もっとも、一人親であるがゆえに、気丈に振る舞い、子供の自律心を育てている家庭もあられる。ゆえに問題は、一人親であるということではなく、過度な依存心が継承され、子供との共依存関係が生まれ、自分のみならず、将来を担う子供の自己成長を妨げる保護者の依存的心理の継承にある。その意味では、二人親でも、事実上、子供の自律性を育てる働きが機能していない家庭の場合は、世代間伝達する過度な依存心の継承に歯止めをかける必要がある。

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