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公益通報を保護する [学び]

スクールでいじめ認知の相談があれば、訴えた者の主張について信ぴょう性を検討した結果、上位機関に報告するシステムがある。いじめのある世界に生きる君たちへ - いじめられっ子だった精神科医の贈る言葉

いじめのある世界に生きる君たちへ - いじめられっ子だった精神科医の贈る言葉

  • 作者: 中井 久夫
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2016/12/07
  • メディア: 単行本

 それは管轄の機関への報告であるから公益通報としての性格を有することからそのことをもって不利益な取り扱いをすることができない。関係者が不利益な扱いをした場合には、行政罰を超えた罰則が適用される。

かつていじめや虐待の通報をした際、管理職の判断を経て、不当な配置転換や1年契約を何年もお積み重ねてきた末、更新拒絶の通知を受けたという話を聞くことがあった。その意味では、スクールはもとより、クリニックや産業臨床の場など、様々な臨床の場で働く者は、自分自身の職業生命をかけて真偽を貫く立場となる。しかし、公的な文書として作成し提出すれば、それは公文書であり、虚偽の報告をすれば虚偽公文書作成の責めを負うことになる。ゆえに、いじめをはじめとして人権侵害に関する事実が当該組織の中で現実にあったと認識したにも関わらず、ないと報告することは、虚偽公文書作成となるほか、管理職がそれを指示すれば教唆ばかりでなく、正犯に問われる可能性が高くなる。特に指揮命令の立場にある者は、管理職が副管理職に指示して、いじめを認知した職員に対して、事実がなかったものとしなさいと事実上指示をすることがある。かつて退職した3人目の責任者にもそのような人がいた。それに反して、クライエントからいじめの訴えをカウンセリングの中で傾聴し、その事実だと確かめた場合には、それを先ず組織の上司に報告することになる。その事実を上司が受け入れるのが通常だが、極めてまれに、申告を良しとしないケースが現実に存在した。加えて、そのような報告があれば、必ず、上位機関から事実の有無について調査があり、管理職を通じて、関係職員に対してヒアリングをするなどすることでクライエントの訴えの真否が浮き彫りにされてくる。事実を曲げることは、上記の刑罰法規に抵触することもあり、それが組織の中で発覚してしまった場合には、管理職としては受け入れざるを得なくなる。他方で、組織の一人としての公益通報に対して、内部的な批判が高まることもある。例えば、当該就業地を訪問し、挨拶をしても、突然、それにこたえなくなったり、勤務時間外のカウンセリングを求めたり、それのみならず、組織の指揮命令に従う無資格の相談員にだけは、クライエントを紹介するが、真実を通報した有資格者に対しては、紹介しないという不作為を中心とする理不尽な方法に出る輩もおいる。無資格の相談員も偽計業務妨害の共同正犯であるケースも少なくなく、虐待防止法等の法律に抵触する理不尽なケースは、複数更新が拒絶された。

かつての恩師にそのような実情を相談したことがあった。すると恩師は、その重篤性に鑑み、関係省庁とかけあってくださった。その結果、いじめがゼロであるという報告は、むしろ信ぴょう性がない報告であるというような流れになってきた。しかしながら、未だに、上記の真実の内部通報に対して良しとしない方々は存在しているのも事実である。民間機関の中で、就業規則を渡され、労働契約法の規定をクリアしてもなお、労働者性を否定したり、時期を過ぎても確定申告をするための源泉徴収票の交付を遅らせる言語同断の方々もいる。

自身もそろそろこの仕事を始めて折り返し地点が来た現在、上記の真実に反する申告を妨げる指示には断じてしたがうことは難しいと感じている。クライエントを勤務日、通常の勤務時間内に紹介しない場合には、偽計業務妨害が成立するであろうし、公益通報者保護法の趣旨にさかのぼって、法の下の平等に基づき、天罰が下されるという確信と現実があるからである。無資格の身近な相談員がその指示に従いSCの活動を妨げている場合や、通常は考えにくい期間での配置転換、更新拒絶を含む場合には、上記法律の適用を受けるばかりではなく、偽計業務妨害の共同正犯が成立すること、加えて不正な判断をされた方の人事異動が生ずる。真実に関する通報をされたくない場合には、予防する手を打つことが必要であり、自身が管理職の場にあれば、未然に防止する方向に動くだろう。もっとも、民間の組織内で、公益通報保護や苦情処理のシステムがある場合には、くれぐれも要注意である。例え働く者に法律に基づき情報提供した弁護士といえど、利害関係が異なり、雇われる立場にある場合、助けて下さらないこともあるが、大変遺憾なことだと思う。

 もっともクレイマーの範疇に入る保護者や身近な相談員、アシスタントの訴えについては、事実の存否を厳密に疑う必要がある。

http://satheal.blog.so-net.ne.jp/2016-12-22

いじめられっ子の流儀:知恵を使ったいじめっ子への対処法

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  • 作者: ケイト・コーエン・ポージー
  • 出版社/メーカー: 学苑社
  • 発売日: 2016/09/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

逐条解説 公益通報者保護法 (逐条解説シリーズ)

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 商事法務
  • 発売日: 2016/04/06
  • メディア: 単行本

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