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守ろうとする心の声

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 無敵だった吉田沙保里選手が53㎏級決勝で惜しくも敗れ五輪4連覇は阻まれた。悲しみに濡れた直後、63㎏級の川合梨紗子選手が決勝で攻めに攻め勝利。君が代が流れ、悲しみは歓喜に変わった。

http://rio.yahoo.co.jp/video/

https://www.washingtonpost.com/olympics/2016/live-updates/rio-games/scores-and-latest-news/?hpid=hp_hp-top-table-main_oly-liveblog-ticker%3Aprime-time%2Fpromo

http://live.sportsnavi.yahoo.co.jp/special/rio/extra/wrestling/w536375

http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2016/08/18/kiji/K20160818013196050.html

http://news.yahoo.co.jp/pickup/6211589

迷わない力 ―霊長類最強女子の考え方

迷わない力 ―霊長類最強女子の考え方

  • 作者: 吉田沙保里
  • 出版社/メーカー: プレジデント社
  • 発売日: 2016/07/23
  • メディア: 単行本
強く、潔く。  夢を実現するために私が続けていること

強く、潔く。  夢を実現するために私が続けていること

  • 作者: 吉田 沙保里
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2016/08/04
  • メディア: 単行本

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53㎏級第二ピリオド直後、一瞬の隙を突かれバックに回られ、吉田は2ポイントを採られた。さらに、試合終了前、ポイントを追加され、4対1。奇跡の逆転はならなかった。インタビューで応えていたように、最後には勝つだろうという思い(ビリーフ)が心の隙を生んだ。一回戦からの試合を振り返っても、攻めに攻めるという姿勢よりも安全にポイントを確保するという印象があった。絶対に勝たなければいけないというビリーフが強迫観念として自分を苦しめてしまったのだと思う。第一ピリオドで、吉田が片足タックルに入った時、ポイントを採るチャンスが訪れたが、バックに回らず、アンクルホールド、若しくは回転技にこだわってしまった。後半残り二十秒時も、バックに回り、先ず、ニポイントを採ることができた。三点差がついていたために、一気に逆転の大技を狙い続けた。五輪前、世界大会に出場する心理的負担を軽減するために、国内での練習を軸としたことが、結果的に、国際試合の試合勘を鈍らせてしまったのではないかと思われる。

 63㎏級の川合選手は、元々フリースタイル58㎏級の階級からウエイトをupして日本代表となった。同級の伊調馨選手との競合を避けるためというが、短期間にウエイトをupし、戦える身体を作るために、どれだけ苦労があっただろう。その思いを抱きながらも、同選手は、攻めに攻め、決勝まで勝ち上がった。そして、決勝でも、常に攻め続け、結果として試合終了間際で6ポイントの差となり勝利した。インタビューの中で応えた思いは、昨日の3選手が金メダルを獲得した姿を思い浮かべ、自分もどうしても欲しいと思ったという趣旨だった。その思いが相手と戦う強い動機づけとなり、攻めに攻めるという姿勢を促進させたのであろう。即ち、攻めてポイントをとる、もしくはフォールにまで導くという基本姿勢が、川合選手の心の声とともに積極的な技として行動化されたと解された。

http://news.yahoo.co.jp/pickup/6211589

http://rio.yahoo.co.jp/video/

 吉田選手を支えていたのは、4連覇直前に至るまで、負けなかったという現実を踏まえ、日本の主将としても絶対に負けてはいけないというビリーフだったように思う。その強固なビリーフが負けたことを想起した時の恐怖心で交感神経が常に優位な状態にあり、攻めることで生じる(タックルをしかけられる)リスクをいつの間にか避け、ポイントを安全に獲得するという方向に無意識に導かれたのではないかと僭越ながら推察されるのである。

http://rio.headlines.yahoo.co.jp/rio/hl?a=20160819-00000084-jij-spo

 日本国民として霊長類最強のレスラーが負けたことは、自分自身、受け止めることが難しいが、翻って省みるならば、人間は、勝つこともあれば負けることもあるということを改めて自覚させられた。吉田選手には、この負けを機会に、また新しい可能性が開けてくるのではないかとお察し申し上げたい。何より、貴方の御蔭で、レスリング種目が五輪種目に留まったこと、そして、貴方の御蔭で、後輩達が、日本代表となり、五輪の試合で善戦し、複数のメダルを獲得するまでになった事実は、消えることはない。4連覇には至らなかったことは誠に残念であるけれど、4連覇の直前まで、日本のために戦い抜かれ、果てしない夢を与えて下さった吉田選手に感謝しております。どうか胸を張って日本に帰ってきてください。泣きたいだけ泣いて、ゆっくりと心を休められた後、今後のご活躍を祈念申し上げます。人は、時に負けることを認めた時、更に強くなれるのだと思います。


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