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見えない函嶺洞門 [学び]

とある夏の日、箱根を訪れた。
大学駅伝 2016 夏号 2016年 08 月号 [雑誌]: 陸上競技マガジン 増刊

大学駅伝 2016 夏号 2016年 08 月号 [雑誌]: 陸上競技マガジン 増刊

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ベースボールマガジン社
  • 発売日: 2016/08/02
  • メディア: 雑誌

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御殿場ICから関所箱根関所跡を抜けて芦ノ湖に訪れると、懐かしい光景が見えてきた。往路のゴール、復路スタート地点付近、1台だけ開いていた駐車場に車を止め、海賊船を横目に歩くと、鮮やかな大学の旗が視界にはいると共に、いつの間にか、吸い込まれるように箱根駅伝ミュージアムの建物に入った。

 第一回の優勝校(東京高等師範―現筑波大学)から92回大会優勝の青山学院大学まで戦いのエピソードがパネルで紹介され、懐かしい写真も飾られていた。展示物の中には、駒澤大学大八木駅伝監督の現役時代の姿、早稲田の中村駅伝監督時代の瀬古利彦選手の姿、そして、日本体育大学6区で活躍し後に世界選手権(マラソン)で金メダルを獲得した谷口選手の写真とシューズが飾られていたが、一際目立ったのは、4年間5区区間賞を記録した柏原竜二選手のエピソードとシューズだった。中では写真撮影が禁止されていたため、この場で掲載できないが、92年の歴史の重さを感じることができた。

 中ほどの位置にあるビデオブースでは、92回大会まで概ね10年間の放送のダイジェストが紹介されていた。その中では、順天堂大学の今井正人選手が5区で襷を受けて他大学の選手を抜き去り往路トップでゴールする姿が印象的だった。その映像は何度も見たはずであったが、何故か、ブースの椅子に座り、いつの間にか1時間以上映像を眺めていた自分がいた。

 翌日、宮の下に降り、大平台のヘヤピンカーブを越え、箱根湯本駅付近に向かった。宮ノ下の富士屋ホテル付近では、突然のスコールに見舞われ、衣服がずぶぬれになったが、箱根湯本についた頃は、夏の陽差しを受け乾いていた。自動車で往復してみた。山道での運転は他の地区で鍛えたことがあり、地元ナンバーの方に迷惑をかけない運転ができていたと思うが、それにしても、5区6区の傾斜は、並大抵のことではないと改めて感じた。

 前日、芦ノ湖ゴール付近にある大鳥居が見えてきたときは、早稲田大学山本選手と明治大学の大江選手の抜きつ抜かれつのデットヒートを想起し感慨深い思いがこみ上げてきた。そして、箱根湯本駅の手前、新コースとなった函嶺洞門付近では、雪の中、順天堂大学の今井正人選手や大風の中、日本体育大学の服部選手が潜り抜けた記憶が鮮明に蘇り、感慨にふけっていた自分がいた。

 青山学院の2連勝、完全優勝は、一部卒業生の噂を除けば、文句なく素晴らしい内容であり、上掲の大学駅伝夏号を見ても5000m13分台の選手が10人+αと盤石の布陣で3大駅伝に挑んでくるものと思われる。しかしながら、自分にとって、箱根駅伝のコースは、新コースの舗装されたルートよりも、見えない函嶺洞門を走り抜ける選手達の姿が何故か鮮やかによみがえってくる。

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