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人生脚本 [心理]

「脚本」というキーワードに改めて焦点が当たりはじめたことを、知人からのメールを通じて知った。

脚本分析 (Transactional analysis series (5))

脚本分析 (Transactional analysis series (5))

  • 作者: 杉田 峰康
  • 出版社/メーカー: チーム医療
  • 発売日: 1997/02
  • メディア: 単行本

人生脚本は、TAの脚本分析の中で示される概念である。手元には、昭和63年に故国谷氏が前書きが記された文献がある。人生脚本は、誰しも明るく、生き生きしたものであることを望んでいると思う。けれども、日々の生活を省みると、ストレスフルで、常日頃から笑顔で生き生きと・・・とは言いがたい側面もある。個人的には、20数年前、著名な心理学者からエゴグラムを教えられ、E.バーンや、J.デユセイの教えをひも解く中で、人には、誰でも知らず知らずのうちに描く「脚本(シナリオ)」があり、それが人生の中で形を変えながら繰り返すことを省るようになった。各々の人の体験を経る中、幼少期の決断を経て、その人固有のシナリオが描かれ、いつの間にか支配されてしまうのである。その後、グールディング氏の再決断療法から、人生脚本を自らの手で書き換えることができる可能性を知った。しかし、その後、DNAとして親世代から引き継いだ「気質」があり、それを中核として形成された性格やパーソナリティをC/Gの場でCLや自分自身と向きあいながら、人には「変え難いもの」があることを改めて痛感した。ここで肝心なことは、変えがたい気質や性格の狭間で、日常経験や教育の中で学習し(させられ)た、ある鍵状況に基づいて生まれる感情や情動をもたらす認知がCLが生き方を左右するシナリオをつくり、その人の認知の枠組みや信念、態度をつくってしまうことだ。それがトラウマに根ざすものであれば、その部分に意識が焦点化され、避けようとすればするほど、かえって、裏の意思の働きが、その部分に固着し、成長を妨げる心の習慣が生まれる。ここで、CLの人生脚本と脚本を生み出したその根元に気づき、自己成長につながる構造的な理解を経て、直感的洞察や気づきにたどりつくことが求められる。CLにとって、変わりにくいものを変えようとするほどしんどいものはないだろう。大切なことは、CL、その人固有の変えがたい気質への理解を深める中で、その人を否定的な方向性に導く筋書きを、その人らしい生き生きとした筋書きにCL自ら書きかえる転換への気づきを得る瞬間にめぐり合うことだと思う。〔追記:但、先人が生み出した「脚本」概念を、あたかも自ら生み出した言葉と解説する営みは、今は亡き先人の魂に背くため、差し控えよう〕。


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