心身をリセットする統合的ボディワーク[追記] [心理]
時間限定のカウンセリング面接を行っていると、心と身体の相関について幾つかの傾向に気づく。重篤な精神症状をお持ちの方は、身体や行動症状も同様に訴えが多く、呼吸も胸式で浅く、交感神経が過度に優位にはたらく心と身体の『くせ』をもっている。時間が限られる相談室の枠組み以外は、各々の時間を過ごしており、症状の改善のために時間を構造化し、個人のワークに結びつける中で、いかに比較的短期間に、こころと身体の方向を変えていくかが課題になる。相談室での認知から行動のアプローチを、逆転の発想を用いて、行動から認知変容の気づきに導くと、一層効果があることを改めて教えられる。もっとも、心の声や心のささやきが行動へのスイッチを入れていることは明らかであり、そのことに気づかせるためには、面接の中で、クライエントの語られた言説と気持を表すキーワードを効果的に繰り返し、鏡のように映し出すと効果的である。
上記の症状で、悩んでいるクライエントには、うつ状態からの回復を待って動機を回復する中で、 時間を決めて、時に山道を歩く機会をつくってもらう。親子であれば、子供との新しい関係が生まれるし、メタボリックでお悩みの方には、食事と組み合わせると、数ヶ月後血液検査データに改善傾向が現われる。日常生活の中では、ワークの枠組への理解がクライエントに正確に伝わり、動機づけが一定期間持続することが重要になってくる。
こころと身体をリセットするためには、時に、方向を展開するために呼吸法とボディーワークが有効で、それができるだけ修得しやすいように、構造化されていると有難い。全身の緊張を緩和する有効なメソッドの1つであり、臨床では、各々のアプローチと統合する可能性が広がるだろう。
[追記] 尚、当該出版物の著者は、心の問題は扱わないと付言している。
ゆるめてリセット ロルフィング教室―一日7分!体を芯からラクにするボディワーク
- 作者: 安田 登
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2006/12
- メディア: 単行本
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