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公認心理師法制定時の付帯決議を改めて顧みる [心理]

公認心理師法の施行に伴い、従来の心理士の契約が一方的に終了したり、改変されるケースが見られる。別稿で述べた会計年度任用職員において、年次有給休暇が消されたり、賃金が大幅に減額される場合も同様である。しかしそれは、公認心理師法が成立した際の付帯決議に反する違法な判断であることを再度確認する必要がある。


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臨床心理学 第19巻第4号―公認心理師のための法律入門―仕事に役立つ法と制度の必携知識

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日本国憲法の下で、法律が成立された場合、憲法尊重擁護義務に加えて法律の遵守義務が生まれるが、法律が制定されて一定の時間が経過すると、制定時の事情は忘れ去られてしまう傾向にある。公務員をはじめ公的な立場においてなされた判断であれば、憲法98条に違反する行為である。付帯決議に明記されているように心理師を兼ねる臨床心理士はもとより、他の専門性を有する心理職の立場を揺るがせると結局はクライエントの安全に影響を与える危険があることを顧みる必要がある。

 若い心理師(士)だけではなく、中堅の心理師(士)へのスーパービジョンの過程で伝え聞く事情によると、働く者の権利が規定された労働基準法に規定された賃金や労働時間、年次有給休暇の規定内容も、財政事情で揺るがされてしまう現実があると伺う。しかし、公認心理師法が制定された際の以下の付帯決議を忘れている人がいるとみられる。従来、当然契約更新がされていたケースが突然更新が適用されなくなったり、労働条件を不利にする形で一方的に応募条件を改変し、長年勤めてきた心理士(師)が継続困難になるように導く等、いかなるプロセスで判断され結果的に制度が事実上運用されていたとしても、下記の付帯決議からして違法な判断は違法であり、公益通報の対象となる事項であるとスーパーバイジーにはお伝えしている。


付帯決議には、以下の内容が記されている。


一 臨床心理士をはじめとする既存の心理専門職及びそれらの資格の関係者がこれまで培ってきた社会的な信用と実績を尊重し、心理に関する支援を要する者等に不安や混乱を生じさせないように配慮すること。


五 公認心理師が業務を行うに当たり、心理に関する支援を要する者に主治医がある場合に、その指示を受ける義務を規定する同法第四十二条第二項の運用については、公認心理師の専門性や自立性を損なうことのないよう省令等を定めることにより運用基準を明らかにし、公認心理師の業務が円滑に行われるよう配慮すること。




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