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カウンセリング支援のための環境調整 [心理]

カウンセリング支援、特に緊急支援では、依頼側ができるだけの環境調整の配慮を行う必要がある。

緊急支援のアウトリーチ──現場で求められる心理的支援の理論と実践

緊急支援のアウトリーチ──現場で求められる心理的支援の理論と実践

  • 作者: 小澤 康司
  • 出版社/メーカー: 遠見書房
  • 発売日: 2017/01/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
危機への心理支援学 91のキーワードでわかる緊急事態における心理社会的アプローチ

危機への心理支援学 91のキーワードでわかる緊急事態における心理社会的アプローチ

  • 出版社/メーカー: 遠見書房
  • 発売日: 2010/06/15
  • メディア: Kindle版
危機への心理支援学 91のキーワードでわかる緊急事態における心理社会的アプローチ

危機への心理支援学 91のキーワードでわかる緊急事態における心理社会的アプローチ

  • 出版社/メーカー: 遠見書房
  • 発売日: 2010/06/15
  • メディア: Kindle版
Counselorとして支援依頼を受ける時に、Counselingroomが別室と区切られており、音が漏れない構造であることが望ましい。時にパーテーションで区切られた場所で、出張Counselingを行うことがあるが、同じ部屋のスタッフの方は、通常、心理面接を行っていることを踏まえて、物音一つに配慮して下さるのが通常である。特にCounselingは、クライエントの気づきに導く傾聴、共感アプローチであり、また心理療法では、時に過去の記憶を想起して心を癒すイメージ変容に導きながら、クライエント自身の課題や認知特性と向き合うことが求められる。その際、癒されて弛緩集中している心理状態に導くことから、背景脳波は、Θ波からα波優位の状態にあるため、個別の心理技法導入の際に一つの物音がクライエントの心理に影響を与えてしまう。即ち、覚醒状態に導く中で弛緩集中の変性意識状態に導くことを妨げてしまうことになる。ゆえに、心傷イメージから解き放たれ、心が癒される中で変容するプロセスを妨げることになる。

 通常依頼を受け訪問する場所は、依頼側がCounselingや心理療法の重要性を認識されているので、外部から隔絶した部屋に導いて下さることに感謝している。Counselingroomがない所では、広々とした会議室のような空間を用意して下さる所もある。特に青年期臨床でご本人のみならず保護者の方もお見えになる際には、複数の人が同席できる場所であると、場面を一度に共有できるメリットもある。しかしながら御本人の主訴は、誰にも知られたくない特性もあるため、Counselorと一対一で向き合うことができる場所を確保する必要がある。

 相談室と銘打った所でも、大きな部屋がいくつかのパーテーションで区切られた場所もある。その中では、心理面接が行われていることが共有されているため、通常は、静かな環境の中で心理面接を遂行することができる。しかしながら某日訪れた所は、Counseling中に大きな声でパーテーションの外側から、パソコンの操作はどうしたら良いか等の声が聞こえてくる。クライエントの表情をみるとその雑音に不快な表情を見せていた様子だった。何故支援のために特別にCounselorを呼んだのに何故、こう配慮のないのだろうと思いながら、「静粛な場所で進めたいのですが」とCounseling中に声をかけた。その直後は、一瞬の間静寂を保てたが、またしばらくしてパーテーションの向こう側から大きく響く声で話し声が聞こえてきた。後でわかったのだがその声の主は、特別支援の調整の役割を担う女性職員だったことが判明した。前回訪問した際に当該担当から挨拶をして宜しくお願いしますと言われてこちらもお辞儀をしたが、次の訪問時には、クライエントの気づきや自己決定を妨げる行動をやっていることに自ら気づくことができないでいる様子だった。次の面接時間には、担当者に相談して緊急に他の部屋を用意して戴くことになったが、そのセッションは、既に30分経過して癒しのイメージを構築する重要な局面になっていたため、率直にその煩い心理環境の中で臨床心理面接を続けざるを得なかった。目の前のクライエントに職員の声や雑音が煩くて済まないと思いながら、クライエントの重要他者と再会して会話するというイメージ法を行った。プライバシー保護のため詳細は割愛するが、ようやく弛緩集中状態から過去の自分と向き合い心傷イメージを緩和しながら、重要他者との対話を繰り返しとある自己決定の気づきに導くことができた。幸いクライエントの内省に向かうことができたが、そもそも配慮のない環境に率直に怒りを覚えた。次の時間枠では、クライエントの特性と行動傾向から、更に深い心理面接が必要とする主訴を抱いていたため、依頼者の方に相談して静かな部屋で対応させて戴くことができた。御蔭で時間は診療所や学生相談センターと同様に45分に限られていたが、かなり深い内省に導くことが可能となり、重要他者との再会イメージとコミュニケーションのプロセスを経てとある自己決定に導くことができ、同日対応した複数のクライエント及びその関係者の方はもとより、最終責任者の方から深々とお礼を戴いた。

 もっとも今振り返ると、Counseling支援の依頼のもと訪れた場所でも、一部Counselingが単なる会話と誤解している特別支援調整者もいるのだと感じた。特にクライエントの緊急支援の事情も付加されて依頼をした場合には、通常は、時間と場所、クライエントやその関係者の方への連絡も含め、環境調整のために全面的な配慮を集中するのが通常であり、その心遣いに応えようとCounselingに集中することで、クライエントの自己成長や行動変容への気づきにより主訴の解決に近づく経過をたどることになる。しかしながら、上記のような妨げる事情があると、支援の効果への営みを依頼者側の一握りの人が減殺してしまうことになる。そのような状態の中であとでまた当該クライエントに問題が生じたとしても、配慮なく大きな声で喋り、物音を立ててCounselingの効果を妨げた方にクライエントへの支援、特に緊急支援の責任を取っていただかざるを得ないということをこの場をお借りしてお伝えさせて戴きたい。上記の阻害要因は、大脳辺縁系の偏桃体にネガティブな神経回路を作りかねない要因となる。驚いたことにクライエントの面接を終了した直後、責任者へのコンサルテーションの必要があるにも関わらず、当該部屋を取り返しにやってきた。特別支援調整の担当者にあるまじき自愛願望欲求に基づく行動であると振り返った。尚、PCの使用法やfileのdownloadの方法等、職場で事務的な作業でストレスを抱えておられるのであれば、個人のストレスを処理してから職場に向き合うことが望ましいと付言させて頂けると苦しみや悲しみのためにどれだけ苦しんでいるかはかり知れない目の前のクライエントのために幸いであると痛感する今日この頃である。組織がCounseling、緊急臨床心理支援要請を行った経緯を組織の一員として省みる必要があるのではなかろうか。

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