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満席の会場で自分の座席をもう一つ確保しておく心理 [心理]

久しぶりにCP会主催の全国研修に参加した。

発達性協調運動障害[DCD]: 不器用さのある子どもの理解と支援

発達性協調運動障害[DCD]: 不器用さのある子どもの理解と支援

  • 作者: 辻井 正次
  • 出版社/メーカー: 金子書房
  • 発売日: 2019/08/23
  • メディア: 単行本
発達性協調運動障害:親と専門家のためのガイド

発達性協調運動障害:親と専門家のためのガイド

  • 作者: 宮原 資英
  • 出版社/メーカー: スペクトラム出版社
  • 発売日: 2017/04/17
  • メディア: 単行本
発達性協調運動障害の評価と運動指導ー障害構造の理解に基づくアプローチ

発達性協調運動障害の評価と運動指導ー障害構造の理解に基づくアプローチ

  • 作者: 新田 收
  • 出版社/メーカー: ナップ
  • 発売日: 2018/11/16
  • メディア: 単行本
発達が気になる子への生活動作の教え方―苦手が「できる」にかわる!

発達が気になる子への生活動作の教え方―苦手が「できる」にかわる!

  • 作者: 鴨下 賢一
  • 出版社/メーカー: 中央法規出版
  • 発売日: 2013/03/01
  • メディア: 単行本
子どもの感覚運動機能の発達と支援−発達の科学と理論を支援に活かす

子どもの感覚運動機能の発達と支援−発達の科学と理論を支援に活かす

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: メジカルビュー社
  • 発売日: 2018/02/03
  • メディア: 単行本
発達障害のある子どもの視覚認知トレーニング (ヒューマンケアブックス)

発達障害のある子どもの視覚認知トレーニング (ヒューマンケアブックス)

  • 作者: 本多和子
  • 出版社/メーカー: 学研プラス
  • 発売日: 2012/06/19
  • メディア: 単行本
乳幼児の運動発達と支援―気になる動きと弱さへの指導 発達障害児も視野に

乳幼児の運動発達と支援―気になる動きと弱さへの指導 発達障害児も視野に

  • 作者: 北村 晋一
  • 出版社/メーカー: 群青社
  • 発売日: 2013/01/01
  • メディア: 単行本
場所は、東京ビックサイト、まさに臨床心理士の1次試験が行われる聖地である。久しぶりに訪れることになった。この地で開催されたのは、都道府県のCP会が公認心理師協会と名称変更したことで、資格認定協会の資格更新要件が厳格化され、単独開催の場合、所謂第二要件が第四要件に変更される判断が下されることが明確化されたことが背景にあるのではないかと捉えている。CP更新のためには、第三領域にまたがる必要があるため、事実上第二要件の充足について、地方主催のCP会に参加すれば第二領域に該当する研修の参加となったが、今後はそれが難しくなったため、日本CP会という名称の下主催された研修会がひと際更新要件として各自にとって重要性を増したものと思われる。更新要件とみなされる学会は限られており、また全国に及ぶ。流石に著作を出し続けたりする方は、一握りの名のある方に限られる。それゆえ今後も全国定例研修は重要な意味を持ってくると思われる。もっとも先に本稿でもお願いした通り、全国研修と地方CP会のとの共催であれば、これまで通り、第二要件の更新要件として認めて頂けると幸いであるし、その点で柔軟な解釈姿勢を見せて下さると幸いである。

 ところで、自身は開催初日の障害理解の研修に参加した。内容は、特に午前中の講師の方の話は、自分の必要とする情報が凝縮されていて、また分かりやすく解説されて勉強になった。久しぶりの全国研修のため概ね30分前には、会場に入った。偶々前の方の席が空いていたため、中央右端の席を確保して荷物も脇に置いた。その後感じたことは、偶々自身の隣席が空いていたため、その後何人もの人が「空いていますか」という一言で、その机の上に書類を置くことへの許可を求められた。自身の確保した席でもないし、どなたか座る予定であるかもしれないため、「空いていると思いますが」と曖昧な返事で返した方が最低3人おられた。いずれも中高年の女性で近年の有資格者の現状が凝縮されているように思えた。率直に感じたことは、暫くしてその3人の方いずれも他の席を確保したであろうことを確認すると、一言も断わりもなく、隣の席に置いた紙を取り去りいつの間にか他の席に移動されていった。そうかと思うと後方で自身も座席から見えない所から、大きい机の中ほどに移動したいという希望があった様子だった。しかしながら、突然、席を引いて下さいと一方的な言葉でかけられた。他方で前の席に遅れてこられた方は「申し訳ありませんが、この席に座らせて頂けませんか」と丁寧な口調でお願いする姿勢の方もおられた。臨床心理学に基づく諸技法に関する職業を長くしておられる方であり、また心理教育の中身として、ソーシャルスキルを指導するお立場であることを踏まえると、先ず、御自分の発するべき言葉を言語化する力やそもそもその語彙自体を獲得されているのかということが疑問に思った。

  加えて先のとりあえずご自分の座る椅子を確保する姿勢については、確かに自分のよりよい座席を確保したいという気持ちは分からなくはない。しかしもしそうであれば、もう20分早く会場に到着するように工夫すれば、より良い座席を自由に選べたのだと思う。ある意味では、自己防衛心による仕方がない行動であるにしても、そもそもいかに短い時間であるにせよ、その人の荷物が机の上に置かれていた時間、例えば、身体の不自由な方がその場所を求めていたとしたら、その荷物を見て他の場所に移動されたのだと思うとやるせない気持ちになる。当該研修のタイトルは、「障害理解」に関するものであった。そもそももっと基本的な所から理解する姿勢になることが必要ではないかと思う中高年の女性が最低4人存在したことが記憶に残った。

  講座の内容自体は、充実したものであり当該、東京で開催された全国研修は、この時期に更新要件を満たすために必要な機会として本当に有難い企画であったことは変わらない。しかしながら、満席になることが主催者側で何度も説明され、当該席を必要とする他の人がいることが明白であると認識しながら、とりあえず自分の利益だけのために座らない座席を確保しておくという心理が正直理解することが未だに困難であることを振り返った。もっとも、かつて、同様の場所で良く顔を合わせる人もいて、会場のどこかで出くわすことが偶然にあった。不思議とその方とは一度も挨拶を交わしたことはないが、挨拶を求めさせるためにわざわざ目の前に訪れてくるような気がしてしまう。特に直接世話になってないし会釈すら交わしたことはない。挨拶は、横柄な態度の者から不自然に求められて行わせるものではなく、相手の存在を貴いと思う自発的な気持ちから自然に行うものだからである。

 今から15年前、同様の研修に出始めた頃は、そのような自発的に挨拶をする方が数多くおられた。職場が同じだったり、前職だったりした場合もあった。年月を重ねて周囲の方が概ね知らない方ばかりとなったからか、挨拶をする機会も少なくなった。仮に知っていたとしても、挨拶すら交わさない関係性として、固定化した人間関係の状態が組織の中でも長く続いたのだろう。新しい国家資格を作ろうという思いが生じても仕方がないと思う。研修が終了し電車に乗った。同様の立場の方も同じ電車の座席に座る方が数多くおられた様子だった。そこに脚の不自由な方が乗って来られた。誰一人として座席を譲ろうとする様子がなかった。自身は少し距離の離れた所から座席を非言語で指さし、声をおかけした所、「ありがとうございます」と丁寧に礼を下さり、自身の座っていた座席に座って下さった。本当の「障害支援」とは何か?首を傾げた瞬間、折角苦労して取得し更新し続けている資格を自分なりに大切に充填していこうと振り返った。

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