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心に共感を積み上げていく効果 [心理]

 時間限定の心理面接で、境界例のクライエントに寄り添った。境界例と診断されたクライエントは、関係する周囲との関係で、自分が周囲から大切にされたか、慈愛願望心が満たされたかという点で、他者イメージ、及び自己イメージが大きく揺れ動く特徴がある。
 従来、共感と傾聴を軸とする心理面接では、境界例の臨床は、困難と言われてきた。しかし、他方で、人格変容と行動習慣の修正に向けた必要な「枠組」を与える中で、「共感」を積み上げていく姿勢は、重要であり、終結事例をもって実感した。訴えの背後の感情に寄り添い、共感を積み上げながらも、CLの過度な依存を防ぐために、必要な「線引」をしていく感覚である。
 訴えの背後にある感情に沿い正確な共感を積み上げ、心理的安全感を醸成していく中で、クライエントの自己イメージが映し出される。その中で共通した心の癖[心理パターン]に気づくという流れを辿る。構造化した技法で無理に導こうとすると、クライエントが求めている心の道のりと衝突することで、かえって逆効果にもなりうることは、各々の施術者が注意すべき点であろう。 
 境界例のクライエントには、その人に固有の「枠組」を付与しながら、言わば、共感の積木を心に積み上げていく、リスナーの基本姿勢が重要であり、確実でもあると感じている。そして、その効果は、カウンセラーが示唆した「枠組」を選択し、境界例のクライエント自身がより生きやすい道のりを選択する大切な基盤となる。


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